福永祐一騎手も大ショック……大器シルバーステートが屈腱炎で戦線離脱。秋G1「騎乗馬なし」のピンチに戻ってきてほしい「アノ馬」たち
1日、ここまで5戦4勝と高い素質を見込まれていたシルバーステート(牡4歳、栗東・藤原英昭厩舎)が右前脚に屈腱炎を発症し、長期の戦線離脱することが分かった。本馬を所有するG1レーシングが公式HP上で発表している。
デビュー戦で今春のヴィクトリアマイル(G1)を勝ったアドマイヤリードに敗れたシルバーステートは、続く未勝利戦をレコードで5馬身差の圧勝。単勝1.1倍に推された紫菊賞(500万下)で連勝を飾り、一躍クラシック候補の中心に躍り出た。だが、そこで屈腱炎を発症し約1年7カ月の休養を余儀なくさせられることに。
今年5月の復帰戦でいきなり勝利すると、翌月の垂水S(1600万下)で4連勝を達成しオープン入り。この秋の始動戦として予定されていた毎日王冠(G2)で、ついに超一線級と激突し、この馬の真価が試されると思われていた矢先での故障発生だった。
それも屈腱炎は再発ではなく、前回とは異なる右前脚であることが事の重大さを物語っている。クラブは1年以上の休養を見込み復帰の道を探すようだが、2歳時の故障ならともかく、競走馬として脂がのってきた4歳での長期戦線離脱はあまりにも痛い。最悪の場合、このまま引退する可能性もありそうだ。
今の競馬界でも指折りの「大器」のリタイアに、ネット上では多くの競馬ファンから本馬を心配する声が聞かれるが、今回の件で最も心を痛めているのは主戦の福永祐一騎手かもしれない。
シルバーステートのキャリア全戦で手綱を執ってきた福永騎手は、以前自身が『netkeiba.com』で連載するコラムの中で本馬について「世界で通用するポテンシャルを持った馬だと思う。馬を手放しで褒めることはあまりないが、現時点での手応えは、これまで乗った馬のなかで一番といえるレベル」と最大級の評価をしていた。