菊花賞(G1)を占う「夏の上がり馬」をピックアップ! ダービー馬不在の”乱菊”だからこそ押さえておきたい有望新勢力「4頭」をチェック
続いて、8月5日に新潟で行われた信濃川特別(1000万下、芝2000m)を勝ち上がったキセキ(栗東・角居勝彦厩舎)は、神戸新聞杯(G2)から菊花賞へ向かうことが濃厚となっている。
春は毎日杯(G3)で3着と、あと一歩でクラシック路線に乗り切れなかったキセキ。秋に備えて早めの休養に入ると、7月15日の自己条件戦(500万下)で復帰。後方から上がり3ハロン33.2秒の豪脚で突き抜けて単勝1.5倍に応えると、そのまま8月5日の信濃川特別に挑戦した。
14頭立ての芝2000mで行われたレースで2戦連続出遅れたキセキは、後方からの競馬を余儀なくされる。ただ、今回は前半1000mが58.2秒と流れたことが本馬に味方する。新潟外回りコースの長い直線を迎えて大外に持ち出されたキセキは、抜群の手応えで進出を開始。
M.デムーロ騎手が手綱を持ったままで先頭集団に並び掛けると、ラスト200mを切ったところからスパート。2番人気のブラックプラチナムが必死に抵抗するも、最後は1馬身半差をつけてゴール。最速の上り3ハロンは驚異の32.9秒だった。
レース後、デムーロ騎手が「素晴らしい馬です。強かったです。私は折り合いだけ気をつけて何もしていません」と惚れ込むのも当然か。そのまま継続騎乗で神戸新聞杯に挑むことが予定されており、祖母が桜花賞(G1)2着のロンドンブリッジ、叔母にオークス馬のダイワエルシエーロがいる良血馬の真価は問われる一戦になりそうだ。
8月20日に、同じく新潟で行われた阿賀野川特別(1000万下、芝2200m)を勝ち上がったポポカテペトル(栗東・友道康夫厩舎)も、本番に向けて面白い存在になりそうだ。
3月のゆきやなぎ賞(500万下)で2勝目を上げ、ダービー出走を懸けた青葉賞(G2)に挑んだが、スタートで煽り気味に出てしまい結局4着と、惜しい結果に終わったポポカテペトル。その後、7月にはレースに復帰したが、あと一歩勝ち切れない競馬が続いて迎えたのが阿賀野川特別だった。
すでに夏3戦目。秋の大舞台へ向け、これ以上は後がない状況で挑んだレースは12頭立てで行われた。大外枠からまずまずのスタートを切ったポポカテペトルは、鞍上の岩田康誠騎手に促されるように前目のポジションを獲りに行く。結局、1コーナーを回る頃には4番手まで押し上げていた。