オルフェーヴルとエルコンドルパサーの「罪」 凱旋門賞前哨サトノダイヤモンド惨敗で日本競馬が気づいた「当たり前」
特に、1999年のエルコンドルパサー、2012年、2013年のオルフェーヴルが当然のようにフォワ賞を制覇したインパクトが強いのかもしれない。いうまでもなくこの2頭は歴代でも屈指の存在であり、日本や欧州という垣根を無にするスケールを有していた。サトノダイヤモンドの今回の惨敗は、結局のところこうした先人の”偉大さ”をより浮き彫りにしたということである。
エルコンドルパサーは日本のジャパンC、NHKマイルCも制し、オルフェーヴルはクラシック三冠馬である点からも、環境不問の強さがあったのは明白。逆にいえば、その強さで「凱旋門賞勝利」を手にできなかったのがこの2頭の「罪」と、日本競馬の不運といったところか……。
真の意味で「傑出した存在」でなければ、欧州では”当然のように勝つ”のは至難。日本競馬が世界レベルから少し距離を置かれたという悲しい事実ではあるが……。
願わくば、サトノダイヤモンドのこの惨敗が、凱旋門賞激走の「布石」であってほしい。
(文=利坊)