和田竜二騎手の「気迫」に震えた!無念の”降板劇”から逆襲……ローズS(G2)「神騎乗」で伏兵ラビットランがモズカッチャン破る!
しかし、和田騎手を待っていたのは、あまりにも無情な降板劇だった。モズカッチャンがデムーロ騎手とのコンビでローズSに挑むこととなったのだ。
事の発端は、デムーロ騎手がオークス3着のアドマイヤミヤビを降板になったことだ。2歳女王で今年のオークス馬ソウルスターリングが秋華賞に向かわないことが決まり、アドマイヤミヤビ陣営はC.ルメール騎手に秋の騎乗依頼を打診。本馬は元々ルメール騎手が主戦を務め3連勝と相性が良かっただけに、デムーロ騎手にとっては残念だが、ある程度仕方のない乗り替わりでもあった。
しかし、ここでデムーロ騎手に巡ってきたのがモズカッチャンの鞍上だった。つまり陣営が和田騎手ではなく、デムーロ騎手を選択したということだ。
仮に年間の勝ち星や勝率といったものだけで、騎手の良し悪しのすべてが決まってしまうのであれば、各陣営は勝つためにより良い騎手を選択しただけなのかもしれない。しかし、その結果は何とも皮肉なものとなった。
まず、アドマイヤミヤビが13日に屈腱炎を発症。ローズSに出られないどころか、翌日には現役引退の発表となった。その結果、ルメール騎手はローズSでクイーンマンボに騎乗して12着に大敗している。
さらに和田騎手からモズカッチャンを”強奪”し、騎手としての実力を見せつけたかったデムーロ騎手も7着に惨敗。そして、そのレースを制したのが、ラビットランという新たな相棒を手に入れた和田騎手だった。人の事情に振り回される馬に一切の罪はないものの、まるで物語のような決着となった。