神戸新聞杯(G2)レイデオロは本当に強いのか。歴史的超スローを神騎乗で勝った”謎”のダービー馬が「100%馬券」の最強データ破る?
さらに、ダービー馬の神戸新聞杯出走は2014年のワンアンドオンリー以来となるが、京都新聞杯(G2)が春に移動し、本競走が菊花賞トライアルの王道となった2000年以降のダービー馬の成績は[4.3.1.0]と馬券圏内100%。17年間にわたって”神話的”な安定感を誇っている。
しかし、その上で「最大の問題」はレイデオロが、歴代のダービー馬と遜色ない能力を秘めているのか否かが未だ不透明なところだ。
無論、デビュー戦からホープフルSまで圧倒的な内容で3連勝を収めている以上、本馬が世代屈指の実力馬であることは誰もが認めるところ。
しかし、その一方で破ったコマノインパルスやマイネルスフェーンといった辺りは、年明けの京成杯(G3)こそ好走したものの、本番では大敗。クラシックの厚い壁に阻まれている。3戦とも内容的には楽勝だったが、どこまでの価値があるのかは疑問だ。
また、順調さを欠いた中での皐月賞5着は、この馬の能力を改めて証明した形となった。この走りが結果的に日本ダービーで2番人気に支持されることにつながるのだが、その内容はルメール騎手が上手に内々の経済コースを通って、ほぼ最後方から脚を伸ばすという、如何にも「無理をさせず着を拾いに行った競馬」だった。
つまり「ぶっつけ皐月賞5着」という額面ほどの価値はなかったということだ。
そして、レイデオロが世代の頂点に立った今年の日本ダービーだが、こちらも歴史に残る”謎のレース”となったことは、競馬ファンの多くが記憶していることだろう。
1000m通過が63.2秒という、ダービー史に残る超スローペースで行われた今年の日本ダービー。「究極の瞬発力勝負」として今も語られているエイシンフラッシュが勝った2010年でさえ1000m通過は61.6秒。これだけを見ても、如何に今年が”異常”な遅さだったのかが理解できるはずだ。