大魔神・佐々木主浩氏も心配!? キタサンブラックも巻き込まれた「魔のレース」の”呪い”に新生シュヴァルグランも要注意?
果たして、その原因は激戦による疲労なのか。それとも単なる偶然のイタズラなのか……。中でも象徴的なのは、この天皇賞・春をスーパーレコードで制したキタサンブラックが、次走の宝塚記念(G1)で信じられないような敗戦を喫したことだろう。単勝1.4倍を背負ってのショッキングな敗戦は、今なお多くの競馬ファンの記憶に残っているはずだ。
その際、演歌界の大御所・北島三郎オーナーが「この前(天皇賞・春)も多少走っているし、その前(大阪杯)も勝たせてもらって、馬も疲れている。『疲れてる』と俺に言いたかったんじゃないかな」と相当な疲労が溜まっていたことを示唆。やはり、激戦の疲労は確実に残っていたようだ。
また、このレースで3着だったサトノダイヤモンドも、この秋は凱旋門賞制覇を目指してフランスに遠征したが、前哨戦のフォワ賞(G2)、本番の凱旋門賞(G1)ともに良いところなく敗戦。欧州の重い馬場に苦しんでいた姿が印象的だったが、やはり本来の走りではなかった。
さらに4着のアドマイヤデウスこそ豪州に移籍となったが、5着のアルバートは秋初戦のオールカマー(G2)で7着に惨敗。さらにコンディション不良で、予定していたメルボルンC(G1)遠征を断念している。
また6着に敗れた昨年の皐月賞馬ディーマジェスティも、疲労のために予定していた宝塚記念を回避。未だ休養中の身で、秋のプランは白紙のままである。7着のゴールドアクターも宝塚記念(G1)こそ2着に好走したが、この秋はトモに疲れが出たという理由で予定されていたオールカマー(G2)を回避。ジャパンCを目指して調整されているが、出走できるかは未定だ。
一方で、このレースで13着、15着に大敗したタマモベストプレイとヤマカツライデンは、この夏の函館記念(G3)で揃って激走し、3連単91万馬券の大波乱を演出。今年の天皇賞・春は、競馬史に残る激戦を演じた上位陣よりも、むしろ早々に脱落してダメージが少なかった大敗組の方が後々好結果を残すという、偶然にしてはなんとも皮肉な状況が生まれている。