秋華賞(G1)ファンディーナ陣営に批判集中? 調整不足のローズSに続き、またも”調整ミス”で「転厩騒動」勃発も?
「歴史的名馬誕生の予感」と世間を”虜”にした、春先の輝きは戻ってくるのだろうか。
4日に栗東の坂路で行われた秋華賞(G1)の1週前追い切りでのことだった。ローズS(G2)の惨敗からの巻き返しが期待されるファンディーナ(牝3歳、栗東・高野友和厩舎)が併せ馬を行い、4ハロンを55.7秒。ラストこそ12.4秒と2馬身差の先着を果たしたが、陣営の表情は冴えなかった。
「予定よりも2秒ほど遅くなった。コンディションを整える上で誤算が生じたので修正していかないと……」
そう語ったのは『東京スポーツ』の取材を受けた高野友和調教師だ。デビュー3連勝で挑んだ皐月賞(G1)での敗戦から、この馬の歯車がどこか狂ってしまっている。
69年ぶりの牝馬制覇が期待され、1番人気に推された皐月賞で7着。生涯初の敗戦を喫してから、陣営はオークスやダービーに進まずに休養を選択。巻き返しの秋に備え馬体の回復に重点を置いたが、あろうことか夏場に夏負けしてしまい調整が大幅に遅れたという。
その後、8月末に帰厩したファンディーナだったが、坂路で精力的に乗り込まれるも前走のローズSを迎えた段階で+22kgの526kg。高野調教師自身が「乗り込み量が足りない」と話していた通り、調整不足は明らかだった。
ただ、結局ローズSは6着に敗れてしまったものの、レース内容自体は悪くないものだった。
好スタートを決めて好位につけると、最後の直線では一時逃げるカワキタエンカに並び掛け先頭を伺うシーンもあった。しかし、ラスト200mというところで脚が上がって失速。結局、ラビットランやリスグラシューといった後続に差されただけでなく、逃げたカワキタエンカも捕まえられない不甲斐ない内容だった。
だが、レース運びそのものはこの馬らしいものであり、最後の失速はやはり急仕上げが原因だろう。逆に述べれば状態さえ整っていれば、カワキタエンカに並び掛けたところから後続を引き離していた可能性もある。一瞬の手応えには、春先に見られたような迫力があった。