秋華賞(G1)和田竜二ラビットランの「可能性」と「不安」……目の覚める末脚が仇となる「コース」への対応
15日、京都競馬場で開催される第22回秋華賞(G1)。トライアルであるローズS(G2)を快勝したラビットラン(牝3歳、栗東・角居勝彦厩舎)が最後の1冠をかけて出走を予定している。
父タピットという血統背景からラビットランのデビューはダート1400m。この新馬戦を7馬身差で圧勝したため、当時はダート界に新たな新星が誕生したかと騒がれた。たがその後、喉頭蓋エントラップメントを発症し約半年間、レースから離れることになる。
復帰後はダートの500万下で2戦するも2着、6着と思うような成績を残せず、ここで陣営はダートから芝へと変更する決断を下した。その後、和田竜二騎手をパートナーに500万下を勝利したラビットランは、続くローズSでオークス2着馬モズカッチャンを破る大金星。秋華賞の一躍優勝候補として名が上がるようになった。
「今春の牝馬クラシックまでモズカッチャンは和田騎手のお手馬。和田騎手はオークスでソウルスターリングに肉薄したモズカッチャンへの思い入れは相当強かったようで、大井競馬場で行われたトークショーでは『ソウルスターリングは負かしたい』と雪辱を誓っていました。しかし、モズカッチャン陣営は、ローズS前に和田騎手からM.デムーロ騎手への乗り替わりを決断。これには賛否両論の声があがりました。
しかし、いざ蓋を開けてみれば、その和田騎手が騎乗するラビットランが大外から上がり33.5秒の鬼脚を見せてゴールし、デムーロ騎乗のモズカッチャンを下すというまるで小説のような決着。この結果にファンは大いに湧いたようです。本番の秋華賞でも期待が寄せられるのは当然でしょう」(記者)
そのラビットランは4日、栗東・CWコースでサロニカとカイザーバルと併せ馬。ラビットランが2頭から先行する形で行われ、後方の馬たちを最後まで寄せ付けず5ハロン5F67.5-12.2秒のタイムでゴールしている。
順調に調教をこなし、秋華賞へ向けて準備も万端のラビットラン。ローズSでの快走がフロックではなかったことを証明するためにも、本番での好走は必至か。だが、豪快な末脚が持ち味のラビットランは一抹の不安も抱えているという。