菊花賞(G1)で「JRA21世紀初」の大珍事完成か!? 「当事者」にとっては微妙、馬券師には大チャンス
それどころか、最後に「全クラシックレースの勝利馬の父が異なった」のは、1999年にまでさかのぼる。後に「世紀末覇王」として君臨するテイエムオペラオーや、武豊に日本ダービー連覇をプレゼントしたアドマイヤベガの世代だ。ちなみに、その前にこの現象が起こったのは1990年。これもかなり時間が空いている。
よくよく考えてみれば、ナリタブライアンやディープインパクト、オルフェーヴルという「三冠馬」に加え、トウカイテイオーにエアシャカール、最近ではゴールドシップにドゥラメンテなど「二冠馬」もかなり出現しているため、結果として「父が被る」可能性は高いことが理解できる。
また、90年代のサンデーサイレンスやブライアンズタイム、2000年代にはアグネスタキオン、2010年代になってからはディープインパクトとキングカメハメハの2強など、時代を彩った種牡馬がクラシックを席巻するのも大きな理由の一つだろう。
意外と珍しい出来事が起きそうな2017年。では今年の「菊花賞」はどうか。まだ勝っていない父馬を持つ出走馬で見ると……。
「ブレスジャーニーにバトルプラン、4頭が出るステイゴールド、ジャングルポケットにディープスカイ、ハーツクライと、これで絞るのはかなり困難かと……」(編集C)
なるほど。では大した情報にはならないか……いや、ちょっと待て。
「父被りなし」が完遂された1999年の勝ち馬はナリタトップロードで渡辺薫彦騎乗、その前の1990年はメジロマックイーンで、騎乗は内田浩一騎手が務めた。それがどうしたというのか。
実はこの鞍上、ともに「G1競走初制覇」だったのである。ちなみに縁起の悪い話だが、これが「最初で最後のG1制覇」でもある。ありがたいのかありがたくないのかは微妙だが……。
この条件に当てはめるとすると、ひとりの騎手が浮かび上がる。