藤田菜七子騎手がJRA一番乗りで「No.1若手騎手決定戦」予選通過! 16年ぶりに誕生した「アイドル騎手」から「乗れる若手」へ進化した軌跡

 もう、彼女のことを競馬界の「お飾り」という人はいないはずだ。

 26日、全国の若手騎手がポイントを争う『ヤングジョッキーズシリーズ』の船橋ラウンドが行われ、東日本1位の藤田菜七子騎手(美浦・根本康広厩舎)が3着、4着とポイントをまとめてファイナルラウンドへの進出を「当確」させた。

 ここまで盛岡ラウンドの第2戦で勝ち星を挙げるなど、JRA全体でも総合2位につけていた藤田菜七子騎手。この日も1レース目を後方から追い上げて3着、2レース目はしぶとく粘って4着と多彩な騎乗を見せ、着実にポイントを加算。

 早々に東日本3位以内を確定させ、12月27日に大井競馬場で、28日には中央の中山競馬場で開催されるファイナルラウンドへの進出を決めた。

 昨年、JRAとしては16年ぶりとなる女性騎手誕生として、デビュー当初から一般的なニュースやメディアも巻き込んでの社会現象となった「藤田菜七子フィーバー」。その愛らしいルックスや、剣道や空手で培った抜群の身体能力などが話題となり、厳しい壁に跳ね返されてきた女性騎手の歴史を覆すような活躍が期待された。

 しかし、1年目は年間わずか6勝。メディアも勝利するたびに報道し、ファンも根強く支え続けたが、いつしかフィーバーは完全に沈静化。結果が伴わない注目度から「人気だけのアイドル」「競馬界のお飾り」など陰口も聞かれるようになり、やがて世間の関心も他へと移っていった。

 本人の中でも「本当は、もっと技術だったり結果だったりを見てもらえるように頑張らないといけないのに……。自分の未熟さを余計に感じることも正直多かった」(スポーツ報知)と小さくはないジレンマを感じていたようだ。

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