JBCクラシック(G1)アウォーディー「逆噴射」は天才武豊が止める!? キタサンブラックに続くG1連勝へ「悪癖」克服が課題
武豊騎手にとって、まさに会心の勝利だった天皇賞・秋(G1)。手駒の軸となるキタサンブラックが復活したことで、再び主役の座に君臨した。他にもエリザベス女王杯(G1)に出走予定のスマートレイアー、マイルCS(G1)に挑戦するエアスピネルなど、お手馬も充実。
今年重賞11勝、10月に入ってからは3勝の固め打ちと、G1シーズンを迎えて競馬界のレジェンドが波に乗ってきた印象だ。
そんな武豊騎手がこの秋の「覇権」を握るため、もう1つ欠かせないピースがある。ダート王アウォーディー(牡7歳、栗東・松永幹夫厩舎)の復活だ。
11月3日に大井競馬場で開催されるJBCクラシック(G1)へ出走するアウォーディーだが、勝利に見放されてから、ちょうど1年を迎えようとしている。昨年の同レースではダート転向後、負けなしの6連勝を飾るなど破竹の勢いのまま戴冠。コパノリッキーやホッコータルマエといった強豪を抑え、ダート界の頂点に上り詰めた。
しかし、次走のチャンピオンズC(G1)、年末の東京大賞典(G1)では、それぞれ単勝2.2倍、1.6倍という圧倒的な1番人気に推されながら、いずれも2着惜敗。その能力の高さは誰もが認める一方、気難しい気性が最大のネックとなっている。
「想定以上のブレーキでした……」
武豊騎手がそうコメントしたのはダート転向後、初の敗戦となった昨年のチャンピオンズCのレース後だ。レースは最後の直線で、一度は粘るアスカノロマンを捉えて先頭に躍り出た。十分な手応えで、完全にアウォーディーの勝ちパターンかに思われたのも束の間、そこから失速。最後にはサウンドトゥルーの強襲を許し、クビ差の2着に甘んじた。