マカヒキ「完全復活説」に賛否両論が激突!? 唯一、後方から追い上げた天皇賞・秋(G1)5着を巡っての見解は……
その上で、ネックになるのは天皇賞・秋より、むしろ得意の良馬場で敗れた秋初戦の毎日王冠(G2)の内容だ。だが、この2番人気で6着に敗れたレースは、スタートから他馬に挟まれて出遅れた上、最後の直線ではやや前が狭くなるチグハグなレース。内田騎手がテン乗りだったこともあり、酌量の余地はあった。
実際に天皇賞・秋では、上位が前にいた馬で占められた一方、唯一後方からの掲示板確保。最後は、毎日王冠を勝ったリアルスティールとアタマ差の接戦に持ち込んでおり、前走が力負けでなかったことを証明している。ならば次走こそ、得意の良馬場になればダービー馬の復活もあり得るという意見だ。
一方、復活「否定派」の意見も十分に理解できるものだ。
確かに天皇賞・秋での5着は一定の評価に値するが、勝ったキタサンブラックや2着馬サトノクラウンからはタイム差にして1.2秒、7馬身以上の差がついており、とても勝ち負けに絡んだとはいえない。実際にマカヒキの上がり3ハロン38.6秒は、上がり最速で2番手から押し切ったキタサンブラックの38.5秒に劣り、理論上は最後の直線だけでも着差が開いていることになる。
また、ダービー馬マカヒキを始め、皐月賞馬ディーマジェスティ、菊花賞馬サトノダイヤモンドを中心とする今年の4歳牡馬は古馬の壁にぶち当たっており、総じて「低レベル」という評価に傾きつつある。
したがって、仮にもしマカヒキがダービーを勝った時のような全盛の力を取り戻したとしても、強い5歳、6歳世代が上位を占める今のG1で勝ち負けすることは不可能として、結果的に「復活した」ことにはならないというわけだ。
「確かに、どちらの意見にも一理あると思います。ただ、雨で惨敗も覚悟していた陣営にとっては、今回の好走が予想外だっただけに、相当な手応えを感じているようですよ。このレースの前に、元ダービージョッキーの大西直宏さんが『レースを嫌がらなくなった』と興味深い見解を示していたことも印象に残っています。