武豊キタサンブラックまさかの「アクシデント」ジャパンC敗退! 大魔神佐々木主浩シュヴァルグラン、悲願のG1初制覇!【G1回顧】
3コーナーを過ぎた辺りから中団にいたサトノクラウンが外からまくり気味に進出を開始し、じょじょにペースが上がっていく。キタサンブラックが先頭のまま最後の直線に入ったが、そのリードは2馬身程度。後続は団子の状態となり、2番手集団が大きく横に広がる展開となった。
ラスト400mを通過して、キタサンブラックが懸命な粘り込みを図るが、内からシュヴァルグラン、外からはレイデオロが集団から抜け出して一歩一歩差を詰めていく。ラスト200mを切ったところでシュヴァルグランが先頭に並び掛けると、キタサンブラックの抵抗を跳ね返して先頭へ。最後はレイデオロもキタサンを捉えたところがゴールだった。
「サンキュー、ありがとうございます」
勝利騎手インタビューで、まずは日本語でファンの歓声に応えたのは、シュヴァルグランの鞍上のH.ボウマン騎手だ。戦前、本馬にはM.デムーロ騎手が騎乗予定だったが、急遽サトノクラウンの騎乗が決まったために舞い込んだチャンスだった。豪州を代表する名手にとっては2015年のホープフルS(当時G2)以来の重賞制覇が、うれしい日本でのG1初制覇となった。
「枠順が良かったので、レース前からキタサンブラックを徹底マークするつもりでした。今日は馬の動きが素晴らしかったです。キタサンブラックは簡単には交せないだろうと思っていましたが、本当に最後まで馬が頑張ってくれました。この秋一番の出来で、去年より成長していると思いました」
現在22連勝中と、世界最強馬の1頭に数えられるウィンクスの主戦として知られるボウマン騎手。その言葉通り1枠1番という絶好枠を活かす形で、逃げるキタサンブラックを徹底マーク。最後の直線でもいち早く抜け出し、粘り込みを図る現役王者を退けると、最後は若きダービー馬の追撃を振り切って戴冠に導いた。