「100年に一度のチャンス到来」に燃える野心。日本競馬全体 が「本気」で今年の凱旋門賞を獲りにいっている「真相」と理由
1920年という約100年前に創設された凱旋門賞は、世界最高峰のレースとしてほぼ毎年、ロンシャン競馬場で行われてきた。そして、多くの日本の競馬関係者が凱旋門賞を戦う上で、日本馬にとって”最大の敵”となるのは、世界の強豪馬ではなく「ロンシャン競馬場の深い芝」だというのだ。
日本競馬のレベルが「世界最高峰」と評されて久しいが、それでも日本馬が凱旋門賞を勝てないのは、走り慣れていないロンシャンの深い芝に対応できないことが最も大きな理由であるといわれている。
その点、今年はロンシャン競馬場が改修工事中で、同じくフランスのシャンティイ競馬場で代替開催されるため、日本馬は”最大の敵”と戦う必要がない。
まさに「鬼の居ぬ間に洗濯」ではないが、凱旋門賞と同じくシャンティイ競馬場で代替開催された先日のイスパーン賞でエイシンヒカリが10馬身差の圧勝。慣れない芝どころかシャンティイ競馬場はロンシャンとは異なり、相当「日本馬に向いている」ということになる。
ましてやエイシンヒカリはマカヒキ、ディーマジェスティ、サトノダイヤモンドらと同じディープインパクトの産駒。この事実に大きな希望を抱いている日本の競馬関係者も数多いはずだ。
「日本の競馬界全体にとって積年の夢である凱旋門賞を勝ったとあれば、それはもう過去のいかなる名馬もしのぐ”英雄”として崇められるでしょう。そうなると引退してからの価値も、当然跳ね上がります。特に種牡馬となれば、数億円単位の経済効果が見込めるでしょう」(同)
現在、今年の凱旋門賞に出走する可能性のある12頭を眺めているだけでも、期待せずにはいられないラインナップだが、約100年に一度のチャンスとなる今年こそは、日本競馬の悲願達成なるだろうか。