有馬記念(G1)キタサンブラック「完全燃焼」へ豪快リハ!「未完の大器」返上へあの”穴馬”に復活の兆し!
いよいよ24日に迫った大一番・有馬記念(G1)に向け、ここが引退レースとなるキタサンブラック(牡5歳、栗東・清水久詞厩舎)が1週前追い切りを行った。
ラストランだからといって、手を抜くつもりはない。いや、これが最後だからこそ、強いキタサンブラックをファンの記憶に焼き付けたい――。現役最強馬を管理する陣営にとって、そんな気迫が伝わってくる猛烈なリハだった。
13日、栗東のCウッドコースで行われたキタサンブラックの1週前追い切り。騎乗した黒岩騎手(レースは武豊騎手)が「これが最後(のレース)なので目一杯やった」とコメントした通り、7ハロンを追われる意欲的な内容だった。全体は95.1秒と目立って速いものではないが、ラスト12.2秒は上々の動き。何よりも、併せ馬を交わしたゴール通過後もしっかりと追われていたことには好感が持てる。
これまでの宝塚記念と有馬記念は3着、3着、2着、9着と敗れ続けた。G1競走6勝を誇る歴史的名馬にとって、唯一足りないものがグランプリの勲章だ。
しかし、敗因ははっきりとしていた。上記の挑戦は、いずれも休み明け3走目。すべてのレースで全力投球してしまうこともあり、最後にはお釣りがなくなってしまうと陣営は分析していた。その傾向が顕著に表れたのが、陣営にとって悪夢となった今春の宝塚記念の9着惨敗だった。
それを踏まえ、この秋は明らかにこれまでのパターンに変化が見られた。管理する清水久詞調教師の「鍛える時期は終わった」という発言通り、坂路3本乗りなど常識を超えた調整を行わなくなったキタサンブラック陣営。当初は「大丈夫か?」という疑問の声も聞かれたが、天皇賞・秋ではしっかりと結果を残し、再び現役最強をアピールしている。