JRA矢作芳人調教師が東京大賞典「終焉」に危機感……中央競馬の12月28日固定開催により、地方競馬「年末の祭典」が消滅の危機へ
今や年末の風物詩として、国民的レースの地位を確固たるものにした有馬記念(G1)。1956年に中山グランプリとして誕生してから長年、一年の競馬を締め括る総決算として親しまれてきた。
しかし、今年からはこの年末のグランプリに替わって、新設された2歳G1ホープフルSが12月28日の競馬開催として”大トリ”の役割を担う。これはすでに来年以降も決定していることであり、すでに競馬ファンのみならず、メディア関係者や競馬関係者からも不評の声が数多く上がっている状況だ。
そして、『サンケイスポーツ』で連載『信は力なり』を執筆している矢作芳人調教師もまた、有馬記念で1年の競馬を締め括ることがなくなった現状に対して疑問を持っている関係者の1人であるようだ。
矢作調教師といえば、幼少の頃から「神童」といわれ、東京の名門・開成出身としても知られる。今年もJRAリーディング5位(17日現在)につけ、開業3年目の2007年以降、毎年のように複数の重賞勝ち馬を輩出している凄腕だ。
記事によると、そんな矢作調教師の元にも、現状に対する数多くの不満が寄せられているらしい。
師は「われわれ調教師は、開催日程に文句を言う立場にない。そこにレースがある限り、馬を出走させて競馬を盛り上げなければならない」と、一部で囁かれている開催ストライキに対しては否定的な見解を示したものの、「日程変更には抵抗があるだろうし、その思いも理解できる」と、やはりJRAの”改悪”に対しては疑問を持っているようだ。
「現状、来年以降もすでに12月28日の競馬開催並びにホープフルSが最後のG1になることが決定していますが、そういった中でも矢作先生のような著名な方が声を上げてくれるのは大きいと思います。
JRAはこの決定に『年間を通じてお客様に中央競馬を楽しん頂く』『円滑な競馬開催を行う』などの理由を挙げていますが、実際にその”お客様”や競馬関係者から不満ばかりが上がっていては本末転倒……。
このまま変更がなければ、『結局は売上主義じゃないか』という声が上がるのは火を見るよりも明らかです。今年は仕方ないにしても、来年以降は考慮する流れになってもおかしくないと思いますよ」(競馬記者)