武豊が「選ぶ」は大器グレイルか、名牝の仔ジャンダルムか……天才騎手を最後まで悩ませた12年前の「数奇な運命」と「皮肉な結果」
鞍上の武豊騎手も「強かったですね。まだ走りがしっかりしていない段階で、これだけ走るんですから楽しみ。本当に素質を感じる馬です」と絶賛。
近年増加の一途を辿り「乱立」と囁かれる2歳重賞増加の影響で、毎年レースレベルが疑われている京都2歳Sだが、昨年に限ってはそんなこともなさそうだ。
2着に負かしたタイムフライヤーが年末にホープフルS(G1)を勝ったことは大々的に報じられたが、3着のケイティクレバーも1月の若駒S(OP)を勝利。さらに4着のアイトーンも年明けの福寿草特別(500万下)で自己条件をクリアするなど、敗れた馬たちが次々に勝ち上がっているから驚きだ。また、今回初の東京遠征に挑むグレイルだが「さらなる上積みが期待できる」と話す記者もいる。
「素質馬たちを負かした京都2歳Sでは、武豊騎手が再三促したにも関わらず、結局最後まで手前を替えないままゴールしています。それでもタイムフライヤーに勝ってしまうのですから、そのポテンシャルが世代トップクラスにあるのは間違いないかと。
さらに今回は大目標となる日本ダービーを睨んでの東京遠征ですが、右回りの京都で手前を替えに手こずった分、逆に左回りの東京ではスムーズな走りが期待できるかもしれません。ここで強い勝ち方をするようなら、一気にダービーの本命候補に躍り出るかもしれませんよ」(競馬記者)
重賞を勝ったことで、すでに賞金面の心配は少ないグレイル。武豊騎手も好調で順風満帆の共同通信杯に思えるが、どうやら「最大のライバル」は目の前ではないところにいるようだ。