武豊が「選ぶ」は大器グレイルか、名牝の仔ジャンダルムか……天才騎手を最後まで悩ませた12年前の「数奇な運命」と「皮肉な結果」
結果は、皐月賞ではフサイチジャンクの3着、日本ダービーではアドマイヤムーンの7着がそれぞれ最高着順と、どちらも勝利には結びつかなかった。だが、アドマイヤムーンは古馬になってから本格化。G1を3勝して2007年の年度代表馬に選出されている。対してフサイチジャンクは皐月賞後、1度も勝利することなく引退した。
結果的にアドマイヤムーンが「正解」だったといえるが、本馬が勝ったG1・3勝の内、武豊騎手がドバイデューティーフリーを勝ったものの、残る2つの宝塚記念とジャパンCはフサイチジャンクの主戦だった岩田騎手によってもたらされるという、なんとも皮肉な結果に終わっている。
果たして、今年のグレイルとジャンダルムはどういった運命を歩むのだろうか――。グレイルの「目に見えないライバル」との戦いは、すでに始まっている。