天皇賞・春「武豊キタサンブラック連覇」を振り返る。「スターへの序章」制覇と「絶対王者の君臨」連覇

 上半期古馬の大一番、第156回天皇賞・春(G1)が4月29日に京都競馬場で行なわれる。このところの天皇賞・春は、スタミナだけではなくスピードも求められ、かつてのステイヤーを決めるレースとは質が異なってきている。

 この天皇賞春を逃げ•先行で2連覇するという偉業を達成した馬がキタサンブラックだ。昨年限りで惜しまれつつ引退したが、あらためて天皇賞2連覇を振り返ってみたい。

 まずは2016年。

 前年、3歳春のふたつのクラシックを落とし、最後の一冠•菊花賞は勝ったが有馬も3着に敗れ、古馬との対戦に不安を残したキタサンブラック。

 16年、4歳を迎えての再始動は産経大阪杯(G2)(現•G1大阪杯)。主戦•北村宏司がヒザのケガで騎乗できず、騎乗馬がいなかった武豊に決定。休み明けでも万全の状態であったキタサンブラック。だが低評価の5番人気。レースはその評価を覆す走りだったが、2番手で追走していた2番人気アンビシャスに敗れてしまう。春の最大目標に向けたスタートで躓いた形になったキタサンブラックだったが、初騎乗だった武は早くもキタサンブラックを手の内に入れ、何も迷いはなかった。

 そして、大一番の天皇賞。スタートよく逃げるキタサンブラック。冷静な武豊は、途中ペースダウンさせて逃げ切りを図る。直線、キタサンを後ろでマークしていた13番人気の伏兵、カレンミロティックが迫ってきて一旦交わされるも「差し返す」と確信していた武のゲキに応え、キタサンブラックはハナ差でカレンミロティックを退けた。さらに1番人気のゴールドアクターをも下して、前年の有馬記念のリベンジも果たした。

 続いて2017年。

 前年の年度代表馬となったキタサンブラックは、暮れの有馬記念でサトノダイヤモンドに敗れてしまい、借りを返さなければならない立場だった。

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