JRA「天皇賞売上激減」が深刻な理由……武豊不在、メンバーイマイチだけじゃない「G1全体」の問題
2番人気のレインボーラインが悲願の初優勝を飾った今年の天皇賞・春(G1)。だが、同馬はレース後に故障が発覚。陣営は手放しでは喜べない複雑な状況にいる。
そして、種類こそ違うものの、頭を抱えているのはレースを開催しているJRAも同じようだ。レースの売得金が前年比を下回ったと「スポニチ」が伝え、話題になっている。
記事によれば天皇賞・春が行われた29日は好天に恵まれたものの、来場者は6万9308人と前年比89.1%、そして売得金も前年比89.1%の197億8692万8000円にとどまったという。
「昨年は競馬界の主役だったキタサンブラックが武豊騎手を背に出走。有馬記念以来となるサトノダイヤモンドとの対戦に注目が集まり、さらに強力なライバルたちが脇を固めたこともあり、レースは大いに盛り上がりました。
ですが、今年はそのキタサンブラックは引退して不在。さらに自身の3連覇もかかっていた”競馬界の顔役”武豊も騎乗停止で出走ならず。もともと出走メンバーの中で、G1優勝馬はシュヴァルグラン1頭のみ。さらに17頭中8頭は重賞未勝利、で17頭中11頭は前走4着以下に敗退と勢いがあるわけでもなく、メンバーの層は薄いと言われていました。この売上減少という結果も妥当だとは思います」(競馬記者)
近代競馬は世界的に2000mを中心とする傾向にあり、3000m級のレースは淘汰されつつある。そのため、ステイヤーは減少の一途をたどっており、長距離戦にメンバーが集まらない傾向があることは懸念されていた。