平安S(G3)テイエムジンソクに「秘策」あり!? ダート無敗の「怪物」グレイトパール打倒へ陣営の「思惑」を現場関係者が語る
19日に京都競馬場で行われる平安S(G3)は「ダート界の勢力図を塗り替える一戦になる」として、G1前日の土曜重賞としては異例の注目を浴びている。
その主役はグレイトパール(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)と、テイエムジンソク(牡6歳、栗東・木原一良厩舎)の2頭だ。
一騎打ちが予想される両者ともG1勝ちこそないが、すでに次代のダート界を背負っていく存在であることは誰もが認める実力馬。今回で勝った方がG1初制覇に大きく近づくことは述べるまでもないだろう。
早くから「ダート界の新星」として注目されてきたグレイトパールはダート転向後、6戦6勝と未だ無敗の存在。G1制覇も「秒読み」と言われながらケガに泣いてきた大器だ。
デビュー戦こそ芝で快勝したが、その後500万下で惨敗を繰り返したグレイトパール。休養を挟んだ3歳の秋からダートに転向するといきなり素質が開花。3馬身半差で500万下を勝ちあがると、そのままとんとん拍子で5連勝。特に初の重賞挑戦となった昨年の平安Sではスタートで後手を踏みながらも早めに進出し、後続を4馬身突き放す圧巻の内容だった。
しかし「いざG1へ」というところで、右第1指の骨剥離骨折が発覚。復帰できたのは、約11カ月後となる今年のアンタレスS(G3)だった。本来なら連勝が途切れても何ら不思議ではない状況だが、中団からひとまくりで約1年ぶりのレースを勝ってしまうところが、この馬が底知れぬ所以だ。あっさりとダート6連勝を達成してしまった。
率直に述べて、グレイトパール陣営の最大の敵はおそらく自分の「脚元」になるのかもしれない。ケガ無く順調にさえ行けば、いずれはダート界を背負って立つ存在になる可能性は充分だ。「とにかく無事にレースを終え、着実に賞金加算して欲しい」春の目標となる帝王賞(G1)参戦へ、ここでしっかりと本賞金を加算しておくつもりだ。