日本ダービー(G1)も「アーモンドアイは勝てる」のか? タイムと歴代傾向「今年の牡馬レベル」が後押し?
今年行われたダービートライアルの青葉賞(G2)もオークスとダービーと同じ条件だが、その勝利時計は2分24秒4で上りは34秒1。勝利時計は過去10年で4番目の速さだから、決して低レベルだったとは言えまい。青葉賞の優勝馬で後のダービー馬はいないが、2着になったフェノーメノ、ウインバリアシオン、アドマイヤメインよりも今年は速い勝利時計。それよりも優秀な記録であるアーモンドアイのオークスは十分に評価できる。
過去にダービーを勝った牝馬は3頭。その中でもっとも最近なのが2007年のウオッカだ。このウオッカのダービー勝利時計は2分24秒5で上りは33秒0。上がりはアーモンドアイより0秒2早いが、勝利時計は0秒7アーモンドアイが速い。ウオッカは桜花賞2着だったが、その時の走破時計は1分33秒9で上りは33秒6。アーモンドアイの桜花賞は勝利時計1分33秒1のレースレコードで上りは33秒2、この内容からもウオッカの記録を圧倒しており、牝馬ながらダービーに勝利できるだけの能力を備えていることがわかる。
アーモンドアイはデビューから5戦してすべて上がり3ハロンで最速を記録。牡馬相手でも稍重馬場でも2400mでも1400mでも1600mでも違うコースでも最速を記録している。2000年以降のダービー馬で、デビューからダービーの前まですべてのレースで上がり最速を記録していたのはマカヒキ、ドゥラメンテ、ディープインパクトの3頭のみ。ウオッカやレイデオロ、キズナなどは上がり最速を継続して記録できなかった。それを考えるとアーモンドアイの最速1位記録は十分に評価でき、マカヒキ、ドゥラメンテ、ディープインパクトなどにも劣らない可能性を秘めているといえるだろう。
最後に今年の3歳牡馬がどのレベルにあるのか検証したい。そのレベルが過去の世代と比較して突出しているのならば、アーモンドアイにとって大きな障害となるからだ。
まず皐月賞は稍重馬場で行われたので過去の時計との比較は難しいが、重賞未勝利馬が皐月賞1~2着という結果そのものが、世代レベルの低さを証明していると感じる。加えてNHKマイルカップの上位3頭も重賞未勝利馬。過去10年に稍重馬場で皐月賞を勝利したゴールドシップとヴィクトワールピサは、それまでに重賞勝利の実績があり、偶然や恵まれてのものではなく実力での勝利だったと言えるからだ。過去10年で重賞未勝利ながら皐月賞を制したのはエポカドーロ以外には1頭のみなので、やはり評価を下げざるを得ない。