ドゥラメンテ、内出血と炎症で放牧へ。「引退」チラつくも、待ち受ける「茨の道」を考えると……?
宝塚記念で2着に敗れ、その後歩様の乱れから馬運車で運ばれ、阪神競馬場に詰めかけたファンを騒然とさせたドゥラメンテ。その後の経過が心配されたが、球節下面及びつなぎ裏面の複数の靭帯、腱に内出血とそれに伴う炎症が確認されたと発表があった。同馬は今後放牧に出されるとのこと。
屈腱炎や再度の骨折など重症でない点は一安心ではあるが、昨年も日本ダービー後に故障を発生しているだけに、2度目のケガというのは今後の競走生活にも大きくかかわってくるに違いない。経過を見てではあるだろうが、仮に「引退」となっても驚けない状況ではある。
クラシック2冠や全レース連対という成績に、ダービーレコードでの勝利なインパクトは、種牡馬入りするには十分なもの。もちろん期待度からいけばもっともっと勝利を積み重ねてほしいところだが、すでに一定の水準はクリアしているといっていいだろう。
しかし、ドゥラメンテを引退後に待ち受けるのは、間違いなく「茨の道」だ。
知っての通り、ドゥラメンテは「日本競馬の粋を結集した良血」だ。父は日本ダービー馬で種牡馬リーディング2強の一角・キングカメハメハ、母アドマイヤグルーヴもG1ホースで、母父は言わずもがなのサンデーサイレンス、母母は牝馬ながら天皇賞制覇など一線級で大活躍したエアグルーヴ。その血脈には日本競馬に大きな足跡を残したトニービン、オークス馬ダイナカールも名を連ねる。一点の曇りもない、まさにスペシャルな一族の末裔がドゥラメンテなのである。