ドゥラメンテ、内出血と炎症で放牧へ。「引退」チラつくも、待ち受ける「茨の道」を考えると……?
日本で大活躍した血のほぼすべてが同馬に流れているということは、当然ながら現在の日本競馬はこの血(特にサンデーサイレンス)を有する繁殖牝馬も多い。ドゥラメンテが種牡馬入りしたとしても、血の偏り、近すぎる配合を防ぐため繁殖牝馬を「選ばなければならない」のは必至である。
父であるキングカメハメハ、そしてリーディングトップをひた走るディープインパクトが年間200頭以上種付けし、最大級の種牡馬成績を上げられたのは、優れた能力を伝える力はもちろんとして、血統面から種付けできる牝馬の幅が広いという要因も間違いなくある。ドゥラメンテにはその部分がどうしても乏しく、仮に合致する良質な繁殖牝馬がいたとしても、父やディープインパクト、血統制限がさらに少ないルーラーシップなどに種付けを”先約”されてしまう可能性も決して低くない。
ドゥラメンテほどの「完成された」血統であれば、日本での種付けが制限されるのはもはや避けられない。いっそ海外の種牡馬となるのも一つの方法だが、それこそ高値で取引される上で、同馬には海外実績が乏しい。だからこそ、凱旋門賞挑戦を断念したのは大きなマイナスとも考えられてしまう。
クラシック2冠だけでは、ドゥラメンテを取り巻く状況を跳ね返すには足りないのかもしれない。今後の動向に注目ではあるが、このままでは苦しいのが現実ではないか。