武豊「後継者」決着か……現地紙「日本のエース」が堂々の英国デビュー!日本競馬の宿願「ポスト武豊」問題で生き残ったのは
例えば、川田騎手とも度々ライバルに挙げられていた浜中俊騎手は、川田騎手以上に「ポスト武豊」として期待されていた存在だったが、一昨年11月のマイルCS(G1)での騎乗停止によってイメージが悪化。
翌年に再び騎乗停止になった際は、メディアに対して「もういいでしょう」と発言し、後継者候補から事実上脱落した。
また、デビューイヤーに武豊騎手の記録を塗り替えた三浦皇成騎手も、その後に伸び悩み。昨年、落馬重傷からカムバックを果たしてから再び輝きを放っているが、まだまだ時間が掛かりそうだ。
大本命といえる福永祐一騎手に至っては、先日のセレクトセールで「僕は馬に乗るより、見る方が性に合っているのかも」と発言するなど、すでに調教師転身が噂されている。
無論、武豊騎手の跡を継ぐことは容易ではない。その穴を完全に埋めるのは「ほぼ不可能」と言えるだろう。
父が魔術師と呼ばれた名手という血統背景、圧倒的な技術と強運、そして何よりも競馬界の枠を超えてファンを唸らせる、軽快でウィットに富んだトーク術……武豊騎手は、日本競馬界にとって「100年に1人の存在」であり、世界中のあらゆる競技を含めても、そう簡単には現れない。一選手の枠を超え、競技そのものに繁栄をもたらしたスター中のスターだ。
したがって「ポスト武豊」を”武豊2世”と考えるのは、根本的に間違っている気がしてならない。
武豊騎手は武豊騎手であり、川田騎手は川田騎手。例え「100年に1人の存在」でなくとも「10年に1人の存在」として日本競馬界を代表する騎手となり、後世に”バトン”を繋いでほしい。これまでの日本競馬も、そのすべてが「武豊時代」ではなかったはずだ。
生涯現役を誓うレジェンドも今年で49歳。今、世界に向けて大きな一歩を踏み出した「ユウガカワダ」への期待は決して小さくない。
(文=浅井宗次郎)