JRA「最強良血」ソウルスターリング復活なるか……クイーンSで復活期すも「期待」と「不安」の両端が
この夏、美浦の名門藤沢厩舎はゴーフォザサミット(牡3)とサトノアレス(牡4)の海外遠征中止でミソをつけてしまった。しかし、函館最終日の22日、レイデオロ(牡4)の全弟レイエンダ(牡3)が松前特別(3歳以上1000万下、芝2000メートル)を快勝して国内での攻勢を開始した。
29日、札幌競馬場のクイーンS(G3、芝1800メートル)には昨年のオークス馬ソウルスターリング(牝4、美浦・藤沢厩舎)が出走する。オークス以降、5戦していずれも敗退しているが、「怪物娘」「女王」と称賛された昨春の栄光を取り戻せるのだろうか。
ここ数年、1回札幌2日は藤沢厩舎にとって特別な日だ。そもそもソウルスターリングが新馬勝ちしたのがちょうど2年前のこの日。父は14戦14勝10冠のフランケル、母は6冠のスタセリタという超良血に注目が集まっていた。昨年のこの日にはレイエンダも新馬戦を楽勝している。
そして、今年の新馬戦にはソウルスターリングの半妹シェーングランツ(父ディープインパクト、牝2、美浦・藤沢厩舎)がデビューする。
29日にシェーングランツが新馬戦を勝ち、ソウルスターリングがクイーンSを勝てば札幌競馬場は藤沢厩舎祭り、スタセリタ祭りと化す。ところが、シェーングランツとソウルスターリングの鞍上はC.ルメール騎手ではなく北村宏騎手。
ルメール騎手がスタセリタで仏オークスを勝ち、そのスタセリタの仔で日本のオークスを勝ったことは一種の美談として語られてきた。とはいえ、ルメール騎手が厳しい勝負の世界で戦う限り、難しい選択も必要になる。北村宏騎手の好判断、好騎乗を期待する。
ソウルスターリングは3歳の秋、毎日王冠(G2)、天皇賞(秋・G1)、ジャパンC(G1)を走り、それぞれ8着、6着、7着だった。クイーンSは牝馬限定戦なのでこれらの成績には目をつむり、今年になっての牝馬相手の2戦を振り返ってみる。
始動戦の阪神牝馬S(G2、1600メートル)では、ミスパンテールがスローの逃げ。ソウルスターリングのルメール騎手は向正面でまくり気味に押し上げ3番手につけるが、直線でまったく伸びず10着。この段階では、まだまだ仕上がり途上だった。