JRA「復活の個性派」サウンズオブアースが秋馬券の鍵? 混沌古馬戦線で悲願はあるのか
先週行われた札幌記念(G2)では上位人気に支持されたサングレーザー、マカヒキ、モズカッチャンの3頭がゴール前で大接戦。迫力あるレースを堪能できた。そして、この3頭から0.1秒差(3/4馬身)の4着に入線したのが、誰もが名前を忘れてしまった馬、あるいはもう名前を忘れてもいいだろうと思っていた馬、サウンズオブアース(牡7歳、栗東・藤岡健一厩舎)。
サウンズオブアースは言わずと知れた「最強の2勝馬」。勝ったのは3歳時の未勝利戦と500万下特別のみ。しかし、G1では3度の2着があるシルバーコレクター。2014年菊花賞(優勝トーホウジャッカル)、2015年有馬記念(優勝ゴールドアクター)、2016年ジャパンC(優勝キタサンブラック)の3つだ。他の重賞でも2014年の京都新聞杯(G3)と神戸新聞杯(G2)、2015年京都大賞典(G2)、2016年日経賞(G2)で2着している。
サウンズオブアースは走りがはまれば一流馬と互角に渡りあえる力がある。このような個性派が活躍してこそ競馬は面白くなる。2016年のジャパンC2着以降ずっと鳴りを潜めていたが、ようやく復調してきたようだ。同馬を管理する藤岡健一調教師は「去年と同じローテで行きます」とコメント。秋は京都大賞典(G2、10月8日)、ジャパンC(G1、11月25日)、有馬記念(G1、12月23日)を走ることを明らかにした。
京都大賞典では、2016年菊花賞(G1)と有馬記念(G1)を制したサトノダイヤモンド、2017年ジャパンC(G1)を制したシュヴァルグラン、今年の宝塚記念(G1)を制したミッキーロケットとの激突が想定される。ここにサウンズオブアースが殴り込みをかけてきた。
「京都大賞典いいメンバーで楽しみ ひよっとしたらここで……」「穴党的に狙いめやな」「今の時代、藤岡兄が乗ったら馬が変わりますな」「このままじゃ乗馬になってしまいそうだから京都大賞典応援する」「G1勝ってくれー」「最近7歳馬頑張り過ぎ」「天皇賞行くべきだと思うけどなぁ」「なんで京都なんだ? どう考えても中山だろ。オールカマーだろ」などなど、世間ではファンそれぞれの同馬に対する思いが語られている。
札幌記念でいくら好走したからと言って4着は4着、馬券の対象外だ。京都大賞典で馬券の対象である3着以内に突っ込んでくる可能性はあるのだろうか。
京都大賞典の有力馬3頭はいずれも休み明けであり、それ以上に深刻な不安を抱えているとも言える。札幌記念でのマカヒキの復活はうれしい限りだが、同世代のライバルであるサトノダイヤモンドはどこまで復調しているのか、シュヴァルグランは前哨戦では負けがち。ミッキーロケットは豪華メンバーが総結集したとは言えない宝塚記念での久々の勝利であり、叩いて良くなるタイプ。