JRA種牡馬オルフェーヴルが辿った「黄金の道程」を。オーロトラジェがデビュー
秋雨前線が停滞し、ぐずついた空模様が続く今週末の日本列島。中央競馬3日間開催の初日の9月15日(土)、阪神5R 芝1,600m新馬戦に期待の良血馬オーロトラジェ(2歳牡 栗東・池江泰寿厩舎)がデビューを迎える。
オーロトラジェの母は仏国の重賞勝ち馬であるミュージカルウェイ。半姉にはオークス、秋華賞勝ちの2冠牝馬ミッキークイーン。母ミュージカルウェイには期待の大きさから5年続けてディープインパクトが交配されていたが、同馬の父はクラシック3冠を含む国内G1 6勝、凱旋門賞2年連続2着のオルフェーヴルに代わった。父の産駒の活躍馬はオルフェーヴル × Mr.Prospectorという血統構成が目立っており、巷では良ニックスと囁かれ始めている。良血オーロトラジェも例に漏れずMr.Prospectorを内包している楽しみな一頭だ。
父オルフェーヴルは重賞勝ち馬3頭(5勝)の産駒を輩出してはいるものの、種牡馬同級生のロードカナロアと比較してしまうと産駒の当たり外れは大きく、総出走回数に対し勝ち星は2割台。そのような状況を鑑みてか社台スタリオンステーションは2018年の種付料を100万円下げ、500万円としている。
そのような父の産駒成績の中、代表産駒とならなければいけないだろうミュージカルウェイの7番子であるオーロトラジェ。同馬は社台グループ白老ファームの生産で、後に一口馬主クラブのサンデーサラブレッドクラブで5,000万円で募集された。5月14日という遅生まれだったが、9月3週目の早期デビューとなった。同馬を預託されたのは、父オルフェーヴルを管理した超一流トレーナーの池江泰寿師。仏国で活躍した母にオルフェーヴルという配合は如何にも欧州G1を狙ったものだけに、同馬への師の期待もかなりのものだろう。
オーロトラジェは7月中旬にゲート試験を合格すると、ノーザンファームしがらきに短期放牧された後、栗東に移動。陣営は8月後半にはすでにM.デムーロ騎手の予定を確保している。9月6日の調教では、驚くなかれ「池江調教師が自ら跨って感触を確かめた」と話題になっている。若手の調教師では管理馬の調教に跨ることはよくあるのだが、過去、池江調教師が管理馬に跨って調教に乗ったという事例があっただろうか? こういった異例の事態を鑑みても同馬への先々の期待の大きさが伺える。