神戸新聞杯(G2)「復活気配」タイムフライヤーに再注目せよ? 「史上最弱G1馬」汚名払拭へ
9月23日、阪神競馬場で菊花賞の最終トライアル神戸新聞杯(G2、芝2400メートル)が行われ、ダービー馬ワグネリアンと皐月賞馬エポカドーロの激突に注目が集まっている。しかし、競馬では何が起こるがわからない。それ以外の出走各馬にも目を配っておきたい。この稿では、復活のきっかけをつかみたいタイムフライヤー(牡3歳、栗東・松田国英厩舎)に焦点をあてる。
タイムフライヤーは昨年の暮れ、G1に昇格した中山競馬場のホープフルS(G1、芝2000メートル)を優勝してG1馬となった。その後、阪神競馬場の若葉S(オープン、2000メートル)を単勝1.2倍という圧倒的1番人気で5着に敗れると、続くクラシック本番の皐月賞(G1、芝2000メートル)で10着、ダービー(G1、芝2400メートル)で11着と、なんの見せ場もなく敗北した。ダービーに至っては単勝オッズ110倍(14番人気)と、ほとんどの競馬ファンから見捨てられた格好となった。
ところがここに来て、神戸新聞杯のタイムフライヤーを無視できない雰囲気が出てきた。夏場の休養でリフレッシュ、栗東に帰厩後の状態の良さが伝えられている。神戸新聞杯と菊花賞(G1、3000メートル)は和田竜二騎手の騎乗が決まり、2週前追い切り、1週前追い切りには和田騎手が跨っている、
特に1週前追い切りは栗東・CWコースで6F80秒2-1F11秒7という好時計をマーク。併せた僚馬カラクプアに3馬身先着している。和田騎手はこの時「息も乗ってきて動きは抜群でした。真面目に走るし、求めた分だけしっかり走ってくれる。体調も良さそうだし、現時点で言うことはない」とコメント。
和田騎手は昨年キャリアハイの96勝を上げ、今年は9月17日時点で58勝、リーディング9位に付けている。この春には宝塚記念(G1)のミッキーロケットで2001年天皇賞・春のテイエムオペラオー以来17年ぶりのG1制覇を遂げた。秋のG1戦線でも気合い充分の走りを見せてくれるだろう。
タイムフライヤーは父ハーツクライ、母タイムトラベリング(その父ブライアンズタイム)という血統。母タイムトラベリングはジャパンカップダート(G1)など、ダートG1を勝ちまくったタイムパラドックス の全妹だ。また3代母Bold Ladyの系統からは天皇賞・春(G1)、有馬記念(G1)を勝ったサクラローレルが出ている。