JRA「大活躍」ヴィクトワールピサ産駒エールヴォア圧勝! 大種牡馬を向こうに回す活躍も顕著な傾向が
それにしても今年の日本列島は自然災害に見舞われる。先週末も台風24号の影響により、西日本を中心に大荒れの天候となった。30日(日)の阪神競馬場開催を月曜の10月1日に延期したJRAだったが、その月曜も強風などの影響から高速道路の通行止めにより馬運車が移動出来ないなどの理由で、再び10月2日の火曜日にスライドとなった。
2日も順延となった4回阪神9日。2R 芝1,800mで行われた2歳未勝利戦で圧巻のパフォーマンスを見せたのがエールヴォア(2歳牝 栗東・橋口慎介厩舎)だ。
エールヴォアはやや後手を踏むスタートとなった今回のレース。しかしながら道中は鞍上の浜中俊騎手が中段ポジションでじっくり構えた。4コーナー手前から外目を馬なりで前段に進出すると、4コーナーをまわったところではもうすでに先頭となり、直線では後続はついてこれず引き離す一方。浜中俊騎手は今後も考え、ソラを使わせない程度のムチは入れたものの終わってみれば2着馬とは6馬身差の圧勝。メンバーレベルもどうかだが、それにしてもあまりに余裕すぎる勝ちっぷりだった。
レース後、浜中騎手からは「4コーナーで仕掛けたら一気に先団に取り付けましたし、直線も楽でした。これからもっと良くなると思います」とコメント(スポーツ報知より)。前走のデビュー戦前、1週前追い切りに騎乗したあの武豊騎手をして「ヴィクトワールピサに似てる」と評価されたとか(日刊ゲンダイ競馬ツイッターより)
それもそのはず、デビュー前から栗東の坂路とCWで好タイムを連発しており、今回のレースに向けての当週追いでも、栗東CWで一杯に追って「82.8-67.0-52.2-38.6-12.3」と古馬並みのタイムを披露していたのだからこの勝利も当然の結果だろう。牝馬ながら496kgという雄大な馬体が駆けているその姿は、一流馬のオーラすら感じた。
エールヴォアは2016年3月12日生まれの社台グループ白老ファームの生産馬で、2017年のセレクトセール1歳で、864万円という破格値で落札された安馬。オーナーは「エール」の冠名を掲げ、2016年から馬主デビューした佐伯由加理氏。
同馬の母はワイルドラッシュ産駒のフィーリングトーン。中央1勝止まりの母であったが、その母はドリームパスポートを輩出したグレースランド 。そして、祖母はステイゴールドの母、ゴールデンサッシュ 。一流馬・活躍馬を輩出するダイナサッシュから脈々と続く、由緒ただしき名牝系の母親である。母フィーリングトーンの子供はまだ中央で勝ち星がなかったが、5番仔の娘エールヴォアが嬉しい初勝利をプレゼントした。