JRAジャパンC(G1)「良馬場は切り」不思議ちゃんサトノクラウン取捨は思い込み注意!? 過去好走例から見える「条件」とは
秋競馬の大一番ジャパンC(G1、芝2400メートル)が迫ってきた。昨年のジャパンC以降惨敗続きだが、出走してくれば常に不気味な存在となるのがサトノクラウン(牡6歳、美浦・堀宣行厩舎)。鞍上が先週のマイルCSをステルヴィオで制したW.ビュイック騎手に決まり、より不気味さを増した。ジャパンCでの可能性について考察する。
日本の競馬ファンがサトノクラウンの強さに驚いたのが一昨年、2016年の香港ヴァーズ(G1、芝2400メートル)。この年、JRAは日本馬の出走する海外G1レースの馬券発売を決定、発売第1弾となったのがマカヒキの出走した凱旋門賞(G1、芝2400メートル)だった。香港ヴァーズで圧倒的1番人気になったのが、その凱旋門賞で2着だったハイランドリール。2400メートルのG1戦に強い世界的強豪だ。
R.ムーア騎手騎乗のハイランドリールが逃げ、J.モレイラ騎手騎乗のサトノクラウンは中団やや後方の内を進む。直線でハイランドリールが後続を突き放しにかかると、1頭だけ馬群から抜け出てきたのがサトノクラウン。ハイランドリールとの差はかなりあったが徐々に差を縮め、ついには半馬身差し切った。
この日、香港C(G1、芝2000メートル)はモーリスが当然のごとく勝ったが、サトノクラウンの香港ヴァーズ優勝は事件であり快挙だった。皐月賞(G1、芝2000メートル)は1番人気に支持され6着、ダービー(G1、芝2400メートル)は3着に好走した素質馬だが、その後凡走も多くG1に手が届きそうもなかったからだ。その年の天皇賞・秋(G1、芝2000メートル)は14着に負けていた。
サトノクラウンが最も輝かしい戦績を上げたのが香港ヴァーズから翌年の天皇賞・秋まで。京都記念(G2、芝2200メートル)を快勝、新設G1大阪杯(G1、芝2000メートル)は3番人気で6着。続く宝塚記念(G1、芝2200メートル)で国内G1初制覇となった。秋は休み明け初戦に天皇賞・秋を選択。M.デムーロ騎手が必死に追ったがキタサンブラックにクビ差及ばず2着だった。