JRA阪神JF(G1)「超速」クロノジェネシスが2強をぶった斬る!? 美しき容貌以上に気になる「可能性」とは
斉藤調教師は開業3年目の新進気鋭。競馬とは縁のない環境で育ち、中学時代に競馬に興味を持ち獣医大に進む。ノーザンファーム勤務などを経て松永幹夫厩舎の調教助手になる。調教師試験に合格、2016年に開業した。今年は平地で21勝、障害で2勝を上げ、リーディング46位につけている(12月3日現在)。開業3年目の厩舎からG1馬が出れば事件だが、それも喜ばしい。
クロノジェネシスの姉は紫苑S(G3、芝2000メートル)を高速タイムで勝ち、エリザベス女王杯(G1、芝2200メートル)で5着と健闘した3歳牝馬のノームコア。祖母インディスユニゾンはG1レースで3度の2着、4つの重賞勝ちがあるフサイチエアデールの全妹。母系からは大物になる可能性を大いに期待できる。なお、このレースでの有力馬の1頭、ビーチサンバ(牝2歳、栗東・友道康夫厩舎)の母がフサイチエアデールだ。
不気味なのが父バゴ。3歳時に凱旋門賞を勝った名馬で、日本で種牡馬になると初年度から菊花賞馬ビッグウィークなどを出して期待された。ところがその後は目立った活躍馬を出せず、競馬ファンからは忘れられかけていた。しかし、底力は秘めているはず。そんな種牡馬からG1レースを優勝しそうな産駒が出るのも競馬の醍醐味。バゴがマイルや1800メートルのG1を勝っているのも心強い。
2強と見られているダノンファンタジー(牝2歳、栗東・中内田充正厩舎)とシェーングランツ(牝2歳、美浦・藤沢和雄厩舎)は強敵だ。しかし、クロノジェネシスには逆転優勝を期待したくなる素質や血統背景がある。