JRA理事長「外国人10週連続G1勝利」報道に苦言。「武豊とデムルメは同じ」発言に見る改革の「歪み」とファンとの「温度差」
「昨秋も様々なニュースがあった競馬界ですが、G1連続開催の中で最も報じられたのが、外国人騎手の活躍だったと思います。外国人騎手『○週連続G1勝利』という風に、記録が継続すれば毎週のように各メディアで報じられ、それが結局10月の秋華賞から12月の有馬記念の前週まで続いたわけですから、多くの人の印象に残ったのは間違いないかと。
ただ、そうなると『日本人騎手は弱い』という風潮が生まれるのは当然。後藤理事長もその辺りを気にしての発言だと思います。
確かに外国人騎手による10週連続のG1勝利は、JRA騎手のルメール騎手とデムーロ騎手、そして短期免許で来日した外国人騎手とがバトンを繋いだ結果。厳密に述べれば、彼らを一括りに『外国人騎手とするのはどうか』という意見はわかります。
ただ、多くの競馬ファンやメディアからすれば”判官びいき”ではありませんが、やはり武豊騎手や福永祐一騎手を始めとした日本人騎手に活躍してほしいと思ってしまうもの。特にG1でしか馬券を買わないようなライト層からすれば、なおさらルメール騎手とデムーロ騎手も外国人騎手という括りになってしまうと思いますよ」(競馬記者)
ただ、昨秋の「外国人10週連続G1勝利」は、ここ数年JRAが行った「改革」が生んだ結果という見方もできるようだ。
「外国人騎手にJRAの通年免許を開放して、ルメール騎手とデムーロ騎手が合格したのが2015年。そして、短期免許のハードルを上げたことでリーディングを争うようなトップジョッキーしか来日しなくなったのが2017年から。
いずれも後藤理事長が理事長に就任してから決まったことで、昨秋の外国人騎手旋風は、いわば改革が生んだ”歪み”の1つという意見もあります。