JRAクイーンC(G3)「善戦確実」ビーチサンバの成長力は? 福永祐一「前週重賞制覇」舞台

 2月9日、桜花賞(G1、芝1600メートル)へ向けての重要な前哨戦の1つ、クイーンC(G3)が行われる。安定した成績を誇るのがビーチサンバ(牝3歳。栗東・友道康夫厩舎)。買うべきなのか、切るべきなのか。考察しよう。

 昨年の9月、阪神の新馬戦(芝1600メートル)を楽勝したビーチサンバは、10月東京のアルテミスS(G3、芝1600メートル)に向かう。直線ではよく伸びて先頭に立ったが、更に後ろから伸びてきたシェーングランツに半馬身差されて2着に敗れた。騎乗した藤岡康太騎手は「勝ちに行った分、最後は甘くなってしまった」と振り返り、友道康夫調教師は「センスがありますね。輸送して体重が2キロ増えていたし、経験を積めて良かった」と語った。

 3戦目、暮れの阪神JF(G1、芝1600メートル)では、鞍上の福永祐一騎手が10番手あたりからレースを進め、直線でラストスパート。しかし、最後方から伸びてきたダノンファンタジーとクロノジェネシスにあっさり交わされて3着。アルテミスSは出し抜けを食らったという言い訳ができても、この敗北は明らかに切れ負けだ。ただし、じわじわと伸び返して2着のクロノジェネシスにクビ差まで迫った。

 レース後、福永騎手は「切れ負けする形にはなりましたが、交わされてからもまた伸びているあたりに高いポテンシャルや伸びしろを感じました。まだ若い馬で身体が整っていない部分が競馬にも出ているのかなと思います。来年が楽しみです」とコメントしている。成長ざかりにある3歳馬だけに、阪神JFでの切れ負けはあまり気にしない方がいいかもしれない。

 母は名牝フサイチエアデール(その父サンデーサイレンス)。重賞勝ちが4つ、桜花賞で2着、エリザベス女王杯(G1、芝2200メートル)で2度の2着という実績がある。半姉ライラプスはクイーンCの優勝馬であり、全兄フサイチリシャールは4連勝で朝日杯FS(G1、芝1600メートル)を制した。ビーチサンバの血統的魅力は大きい。なお、阪神JFに続き今回も強敵になるクロノジェネシスの祖母インディスユニゾンはフサイチエアデールの全妹だ。

 鞍上は阪神JFに引き続き福永騎手。友道厩舎+金子真人オーナー+福永騎手はワグネリアンで昨年の日本ダービー(G1)を制したゴールデントリオ。福永騎手は前走後「来年(つまり今年)が楽しみ」とコメントしたが、友道調教師はクイーンC出走にあたって「前走の阪神JFは、まだトモが甘いなかでよく伸びてくれたと思います。母親のフサイチエアデールに似て、気で走るタイプ。今はトモがだいぶしっかりしてきましたし、今回は楽しみですね」と語っている。

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