JRA藤田菜七子とコパノキッキングだけじゃない!?「距離誤認」山田敬士騎手”復活”勝利の陰にオーナー「有言実行」の矜持
10日に東京競馬場で行われた7R(500万下、ダート1600m)で、デビュー2年目の山田敬士騎手が復帰後の初勝利を飾った。
「感無量です。言葉が出てこないですね……モヤモヤが晴れたわけではないですけど、こういう状態で乗せてもらっているので、1つ1つ大切に乗ろうと思っていました」
昨年10月、ルーキー「山田敬士」の名は不名誉な形で全国の競馬ファンに広がった。JRA史上初となる”距離誤認“……2週のレースを1周でゴールしてしまうという、プロとしてあるまじきミスは競馬界を超えて世間を揺るがせた。
「山田騎手の騎乗馬のペイシャエリートは2番人気でしたし、馬券を買って応援していたファンも多かった中で起きてしまった出来事。納得できないファンも多かったでしょうし『騎手失格』『引退しろ』という厳しい声もありました。
デビュー当初、女手ひとつで兄弟3人を育てながらも、騎手になる夢を応援してくれた母親へ『親孝行したい』という言葉が印象的でしたし、2年目ながら21歳という年齢が示す通り、山田騎手は3回目の受験で競馬学校に合格した苦労人。そんな中での信じられないミスとあって、本人も思うところがあったと思います」(競馬記者)
あの事案から約4カ月。騎乗停止処分が明け、復帰してから30戦目での勝利だった。騎乗馬のペイシャボムは、距離誤認をしてしまったペイシャエリートと同じ「ペイシャ軍団」の北所直人オーナーの所有馬だ。
「こちらも『乗れる』と思って乗ってもらっているし、君だったらトップジョッキーになれるから。これからも応援するから頑張ってくれ」
騎乗停止明け当初『スポーツ報知』のインタビューに応じた山田騎手は「僕としては殴られても仕方がないくらいの気持ち」で赴いた謝罪の場で、北所オーナーからそんな言葉を掛けられたという。