JRA藤田菜七子「涙のファンファーレ」コパノキッキングと示した「可能性」さらなる飛躍への道
18日、フェブラリーS(G1)で初のG1騎乗を経験し、コパノキッキング(セ4 栗東・村山明厩舎)で5着に食い込んだJRAの藤田菜七子騎手。
1番人気の武豊騎乗インティが作ったペースにより、前半600mが35.8秒と例年にないスローとなった今年のフェブラリーS。「ユタカマジック」のマイペースに持ち込んだインティが見事7連勝でG1初戴冠を果たした。一方、前残りの展開で鬼脚を繰り出し2着としたC.ルメール騎乗のゴールドドリーム、インを突いて抜け出した3着ユラノトにとっては悔しいレースとなった。
そして最後方からの大外一気で5着に食い込んだコパノキッキングは、もっとも展開が向かなかった馬といえる。まずまずのスタートから無理をせず馬なりで最後方に。大きく出遅れ中団まで上がっていったノンコノユメにつられることもなく、こちらも「マイペース」にレースを進めた。4角で先に動いたサンライズノヴァの後を通り、スピードに乗って直線へ。その後は後方から唯一脚を伸ばし、ラスト100mほどで急追。前走根岸S(G3)で見せたようなさすがの末脚を見せたが、届かず5着に終わった。
結果としては残念だったが、コパノキッキング、そして鞍上藤田菜七子の可能性が大いに見えたレースだったといえる。
「コパノキッキングは、根岸Sで騎乗したO.マーフィー騎手が『(マイルは)NO』と距離の限界を語っていました。しかし今回のレースは上がり2位の35.2秒を記録。ラスト1Fの伸び脚は特筆もので、ラスト2F時点から考えれば『ワープ』ともいえる脚でした。今後のローテーションも含め、可能性が拡がるレースぶりでしたね。
また、その脚を引き出した菜七子騎手もお見事。もともと菜七子騎手の大外強襲は、時折驚くような伸びを見せることがあります。今回もその良さが出たように思いますね。
オーナーである小林祥晃氏(Dr.コパ)は、もともと『道中は馬なり、大外を回して末脚勝負』という作戦は示していましたし、菜七子騎手は指示通りに乗ったといえるでしょう。スローペースになったのは人馬にとって残念でしたが、見どころ十分なレースぶりでした」(競馬ライター)
初のG1の舞台で、陣営の指示以上のレースを見せるのは極めて難しいに違いない。菜七子騎手は陣営の意図通りに徹する騎乗だった。スローペースは不運だったとしか言いようがない。