武豊「神逃げ」再び!? 阪急杯(G3)ダイアナヘイローでインティに続く絶妙レースを見せつける
24日、阪神競馬場で行われる阪急杯(G3、芝1400メートル)に昨年の覇者ダイアナヘイロー(牝6歳、栗東・大根田裕之厩舎)が出走する。連覇を達成できるのだろうか。検討してみよう。
ダイアナヘイローは前走の阪神C(G2、芝1400メートル)を単勝人気38.3倍の11番人気で優勝。まさに名前通りの大穴をあけた。これで重賞タイトルは3つ目。重賞を初制覇したのは一昨年の北九州記念(G3、芝1200メートル)。武豊騎手とのコンビで条件戦を3連勝し、4連勝で北九州記念を勝った。もう1つのタイトルが昨年の阪急杯。今回、阪急杯連覇を狙うが、阪神1400メートルの重賞3連覇もかかる。
阪神Cは菱田裕二騎手が騎乗したが、ここは主戦と言うべき武豊騎手に戻る。今年の武豊騎手は絶好調だ。先週時点で24勝を上げリーディングトップ。フェブラリーSではインティで今年1つ目のG1を制覇した。やはり競馬界のレジェンドにはG1勝利が似合う。レース後には、藤田菜七子騎手が1着で自分が2着というのだけは避けたかったと、リップサービスも満点だ。
ただし、武豊騎手のG1タイトルは一昨年、キタサンブラックでの有馬記念優勝以来。昨年はG1レースを勝てなかった。前人未到のJRA通算4000勝達成、オジュウチョウサンでの有馬記念挑戦など、昨年も多くの話題を提供してくれたが、本人にとっては満足できるものではなかった。
4000勝達成により2018年度JRA賞の特別賞を受賞。授賞式では「昨年は、自分としては納得できる成績ではなかった」「まだまだ未熟者だと思っていますので5000勝を目指して頑張ります」と語った。年明けから猛ダッシュした今年は”G1を勝って当然”の武豊騎手が見られそうだ。
ダイアナヘイローは一昨年の北九州記念を勝った後、スプリンターズS(G1、芝1200メートル)に挑んで惨敗、年が明けてのシルクロードS(G3、芝1200メートル)も大敗。そのため続く阪急杯では7番人気という低評価だった。しかし、武豊騎手にはダイアナヘイローを優勝させなければならない任務があった。
当時、ダイアナヘイローが所属していたのは栗東の福島信晴厩舎。福島調教師は定年を迎えるため、この阪急杯がJRA重賞最後のレースだった。福島調教師に重賞勝ちをプレゼントする必要があったのだ。レース後「最後はさすがに一杯一杯で『勝ってくれ』と神様にお願いしました」「お世話になった先生ですから、とにかく嬉しいです」「競馬にはこういうこともあります。それに携われて幸せです」と率直に喜びを表現した。