JRAチューリップ賞(G2)「2歳王者と互角」メイショウショウブの可能性。池添謙一の「策」がはまれば……
3月2日、チューリップ賞(G2、芝1600メートル)が阪神競馬場で行われる。メイショウショウブ(牝3歳、池添兼雄厩舎)は阪神JF(G1、芝1600メートル)での6着から巻き返せるのだろうか。
メイショウショウブのスピード能力と勝負根性は昨年11月、京都競馬場で行われたデイリー杯2歳S(G2、芝1600メートル)で明らかになった。暮れに朝日杯FS(G1、芝1600メートル)でG1タイトルを獲得するアドマイヤマーズと好勝負を演じたからだ。レースを振り返ってみよう。
ゲートが開くと真っ先に飛び出したのはメイショウショウブ。アドマイヤマーズが先頭に立つと、メイショウショウブはアドマイヤマーズに半馬身遅れで並ぶ。道中はずっとこのまま並走し、4コーナーではメイショウショウブが先頭に立つ。直線でアドマイヤマーズを突き放そうとするが、伸び返されて力負けした。しかし、3/4馬身差の2着であり、3着馬には2馬身半差をつけた。
逃げ馬ゆえの先行策ではなく、堂々とアドマイヤマーズと渡り合ってレースを引っ張った。直線でアドマイヤマーズに差し返されるとしっかりと抵抗している。スピードがあり、闘争心があり、競馬が上手なのだ。キタサンブラックでさえ外から馬に並ばれると気分を害したようだが、メイショウショウブはアドマイヤマーズと並ぶと、むしろハッスルしているようにも見えた。
次走となった阪神JF(G1、芝1600メートル)の結果は6着だった。しかし、1着から4着の馬が4コーナーで10番手から17番手にいた差し比べのレース。2番手から先頭に抜け出し、直線半ば過ぎまで先頭を走ったのは健闘と言える。
今回のチューリップ賞参戦にあたって池添兼雄調教師が「前回(阪神JF)よりいい状態だと思う。あの時は使い詰めだったから。放牧を挟んで、ひと回り大きくなって帰ってきた」と語るように、昨秋は10月から12月までに4戦するきついローテーション。リフレッシュした今回は阪神JFよりもやれそうだ。
ただし、今回も阪神JFと同じ阪神のマイル戦。コーナーの緩いワンターンの競馬で直線は長い。力の勝負になりやすく、差し馬の台頭が目立つ。そうなると先行馬メイショウショウブにはつらい。