弥生賞(G2)ニシノデイジーは何故「今年0勝」勝浦正樹なのか? 西山茂行オーナーが語るクラシック”異端児”誕生の奇跡【特別インタビュー】

弥生賞直前、西山茂行オーナーを直撃

 3日に中山競馬場で弥生賞(G2)が行われる。かつてはミスターシービーやシンボリルドルフ、ディープインパクトらが、ここから三冠馬へ駆け上がった王道の皐月賞(G1)トライアル。今年の「主役」は、ニシノデイジー(牡3歳、美浦・高木登厩舎)だ。

 すでに札幌2歳S(G3)と東京スポーツ杯2歳S(G3)という2つの出世レースを制している世代屈指の大器だが、クラシック戦線にはホープフルS(G1)の覇者サートゥルナーリアなど超一流の血統馬がひしめく。一方、ニシノデイジーはまさにオーナーブリーダーの執念から生まれた異色の存在……。

 果たして、今年のクラシック戦線に旋風を巻き起こしている”異端児”は、どのようにして誕生したのか。そして何故、オーナーは今年未勝利(28日現在)に苦しむ「主戦・勝浦正樹」に拘り続けるのか――。

 今年のクラシックの”キーマン”「ニシノ」「セイウン」軍団の総帥・西山茂行オーナーを直撃した。

――クラシック制覇を目指すニシノデイジーが弥生賞に出走。最終追い切りは、オーナー自ら美浦トレセンまで視察に行かれた。

西山茂行オーナー(以下、西山オーナー):よかったですよ、力強くなってますね。ハミを(口当たりが柔らかいトライアビットに)替えて、落ち着いて走っていました。

――昨年から大きく変わった点は?

西山オーナー:セイウンスカイ(皐月賞、菊花賞の二冠馬)に勉強させていただいたんですけど、やっぱりクラシックを勝つ馬っていうのは、3歳の春に急成長してくるんですよ。ニシノライデン(古馬G2を4勝)もそうでしたけど、この時期に体も大きくなっていくし、目に見えて馬体の張りが良くなってくるんです。

――ニシノデイジーにも、そういった成長の跡がうかがえる。

西山オーナー:良い方向に向かっているように見えました。弥生賞は、今後に向けて大きな試金石になると思っています。

――弥生賞の後には、春の大目標となる皐月賞と日本ダービー(G1)がある。

西山オーナー:私はダービーの方が楽しみです。あの馬は「府中の方がいい競馬するだろうな」と思ってます。将来的には(府中の)秋の天皇賞(G1)やジャパンC(G1)で力を発揮する馬になるんじゃないかなという気はしますね。

でも、今年の秋はちゃんと(京都の)菊花賞(G1)に行きますよ。春は弥生賞、皐月賞、日本ダービーの3戦。夏には西山牧場に放牧に出て、秋はセントライト記念(G2)から菊花賞に向かうことになると思います。

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