金鯱賞(G2)ギベオン「何故」丸山元気ばかり? C.ルメール騎乗停止で「マイル王」ステルヴィオに続く”大抜擢”の裏事情
「確かに中山記念のステルヴィオの騎乗は安全に外を回して届かずという、如何にも及第点の騎乗。レース後にはムチの使い過ぎで戒告を受けており、関係者の間でも決して褒められた騎乗ではなかったようです。
ただ、ステルヴィオやギベオンを所有する社台グループは以前から丸山騎手を評価しており、外厩のノーザンファーム天栄からも『第2の北村友一』になってもらおうとバックアップを開始しているとか。
特に今回のギベオンと同じ社台レースホースは、スティッフェリオで昨年の福島記念(G3)と小倉大賞典(G3)を連勝した丸山騎手の腕を高く評価しているようで、今回の抜擢にはオーナーサイドの意向が強く働いたようですね」(競馬記者)
北村友一騎手といえば、一昨年に65勝を上げて自己ベストを更新したかと思えば、昨年は一気に90勝までジャンプアップ。リーディング6位に食い込む大躍進を遂げ、今年もすでに重賞3勝と、今や押しも押されもせぬトップジョッキーの一角に名を連ねている。
その背景には、やはり社台グループのプッシュがあったようだが、今度は丸山騎手が「第2の北村騎手」になるということか。確かに丸山騎手は一昨年こそ29勝に終わったが、昨年は60勝と勝ち星が倍増。今年もすでに10勝と、昨年と同等以上のペースだ。
「社台グループが丸山騎手をプッシュしていることは確かですが、他にも有力な騎手はたくさんいますし、あまり結果が出ないようだと長続きはしないでしょうね。
逆に言えば、丸山騎手は今が『騎手人生の分水嶺』といえるほど、大事な時期を迎えていると思います。急遽巡ってきたギベオンの騎乗ですが、相当気合が入っていると思いますよ」(別の記者)
ステルヴィオの中山記念ではレース後、ムチの使い過ぎで戒告を受けた丸山騎手。決して褒められたものではないが、それだけ本人にとっては大事なレースだったということなのだろう。
今回の金鯱賞は、中山記念に匹敵するほどの強力なメンバーがそろった印象だが、同じ中京2000mの中日新聞杯(G3)で初重賞を飾ったギベオンもチャンス十分の存在。だが、もし不甲斐ない結果に終われば「ルメール騎手が乗っていれば……」となることは想像に難しくない。
ここで結果を残し、台頭著しい北村友一騎手のように一流騎手の仲間入りを果たせるか。丸山騎手が騎手人生を懸けた「勝負の時」を迎えている。