JRA和田竜二「再コンビ」金鯱賞(G2)モズカッチャンの「能力」はどれほど?
10日、中京競馬場で金鯱賞(G2、芝2000メートル)が行われる。鞍上が和田竜二騎手に戻ることで注目のモズカッチャン(牝5歳、栗東・鮫島一歩厩舎)について検討する。
モズカッチャンが強烈な存在感をアピールしたのが、一昨年のフローラS(G2、芝2000メートル)。単勝オッズ37.2倍、12番人気ながら優勝。オークス(G1、芝2400メートル)に名乗りを上げた。レース後、騎乗した和田騎手は「瞬発力があることは分かっていました」「これなら距離が伸びでも大丈夫でしょう」とコメント。和田騎手の言葉通りオークスでは勝ったソウルスターリングを脅かす2着だった。
その後、和田騎手は夏の大井競馬場で行われたイベントで「モズカッチャンでソウルスターリングを負かしたい」と秋に向けての意気込みを語る。しかし、秋からのモズカッチャンはM.デムーロ騎手の手に渡ってしまった。
モズカッチャンは秋初戦のローズS(G2、芝1800メートル)で7着に敗れてしまうが、このレースを制したのが鞍上和田騎手のラビットランだった。モズカッチャンは秋華賞(G1、芝2000メートル)で3着に好走すると、エリザベス女王杯(G1、芝2200メートル)でG1初制覇を達成。そして、このレースでクビ差の2着だったのが鞍上和田騎手のクロコスミアだった。
ゴール板通過後、和田騎手はデムーロ騎手に握手を求め勝者を讃える。デムーロ騎手の「悲しいです。ゴールしてすぐに『すいません』と言いましたが、和田くんは『おめでとう』と言ってくれました」という発言が話題になった。
昨年のモズカッチャンはドバイシーマクラシック(G1、芝2400メートル)6着、エリザベス女王杯3着、有馬記念(G1、芝2500メートル)8着と不本意な結果に終わってしまった。今年はこの金鯱賞から始動、大阪杯(G1、芝2000メートル)で2つ目のG1制覇を目指す。そして、鞍上に和田騎手を迎える。
追い切りは栗東・坂路で4F53秒1-1F12秒4。鮫島一歩調教師は「最後2ハロンからグッとスピードアップしたね。前走(有馬記念)はペースも厳しかった。距離が短くなってちょうどいい」とコメント。昨年出走したG1レースはすべて2000メートル以上だったが、今年は2000メートルに照準を絞るということだ。
ところで、モズカッチャンはどれほど強いのだろうか。エリザベス女王杯の勝ちタイムは良馬場で2分14秒3。一昨年の秋は豪雨にたたられ、良馬場であってもタイムのかかる馬場だったが、それでもやや物足りない。