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麻雀界をリードする女流プロ雀士・二階堂姉妹の特別インタビュー(前編)-二人にとって「生きる」とは何なのか、その「流儀」を語る-

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――それでもメディア上の「二階堂亜樹」の強さや生き様に憧れを抱いている人は多い。そういった人々に、気持ちを強く持つためのアドバイスをするとすれば。

亜樹:そうですね(ここで初めて悩む)。私だって追い詰められないとできないこともあるので、弱い気持ちそのものを否定はしません。ただ、やらないことによって、いつまでもそこに留まってしまうわけじゃないですか。それが自分にとって良いことか、悪いことかをまず考えてほしい。(動くのは)それからでもいいと思います。動けないなら動けない理由があるわけで、それが自己保身になったり、傷ついたことによってそこで立ち止まってしまうこともあるわけじゃないですか。それを自分で乗り越えられたら次に進めばいいだけで「無理矢理行かなきゃ」「乗り越えなきゃ」と、ただ前向きなだけでも意味がない。自分である程度考えて、納得して先に進めばいいと思うので「無理はしなくていいよ」とは言ってあげたですね。

――失敗を恐れて、動けない人も大勢いると思うが。

亜樹:「失敗してもいい」と思います。失敗は誰でもしますし、失敗することが絶対いけないわけではなくて、例え失敗することによって大きく後退しても、この先の長い人生をかけて取り戻していけばいいわけで。失敗を恐れるあまり何もできないっていうのは「ちょっと、もったいないかな」という気はしますね。

「天衣無縫」の異名をとる姉・瑠美が掲げる壮大な目標とは

 弱い自分、ネガティブな自分を見つめながらも「失敗してもいい」と前を向き続ける妹の亜樹プロに対して、姉の瑠美プロはそんな妹を心配しながらも、同時にその飽くなき「前向きさ」に惹かれるように、妹の後を追ってプロ雀士に。

 本著『明日は、今日より強くなる 女流プロ雀士 二階堂姉妹の流儀』の後編は、そんな姉心に溢れる二階堂瑠美の人生のプロセスやプロ雀士としての「志」が綴られている。

 本著『第五章・積み重ねる』や『第六章・強くなる』には、その葛藤の数々が綴られていたが、自分の弱さと現実との狭間で足掻く軌跡の中、特に目を引いたのは「麻雀のイメージそのものを変えてしまいたい」という瑠美プロの壮大な志だった。

二階堂瑠美プロ(以下瑠美):(麻雀の普及活動に際して)よく「麻雀を覚えられないんですけど、どうすればいいですか」と聞かれますが、残念ながら(一発で麻雀が覚えられるような)魔法の言葉はありません。

nikaidourumi.jpg二階堂瑠美プロ

 初心者に対して「麻雀は難しい」という印象を持たれがちという言葉に対して、瑠美プロは「確かに難しいと思いますが、だからこそ『深み』がある」と応じる。

瑠美: 麻雀に限らず、その競技を楽しみたいのであればベースを学習することは、すごく当たり前のことですよね。(それをしないで)ルールを「簡単にしてほしい」というのは、(ある意味で)競技に携わっている人に対して凄く失礼なことだと思うんですよ。

――ルールを簡略化すれば、その分深みや面白味がなくなってしまう。

瑠美:私たちプロ雀士だけでなく、今のルールの麻雀を楽しんでいる人が大勢いる中で「楽しみたい」と思うのであれば、やはりまずはルールを覚えるべきだと思います。麻雀のルールは決して簡単ではありませんが、複雑故に面白い競技なので、ぜひとも頑張ってほしいです。

――ルールを覚えるコツのようなものは。

瑠美:やっぱり本を見ているよりは実際に遊んだ方が、いろいろな楽しみ方を覚えやすいと思います。入門書などを読んで「覚え辛いかな」と思ったら、実際にやってもらうのが良いかと。ただ、実際にやるのも敷居が高いので、初心者向けの麻雀教室をもっと増やしたり、家にいながらでも楽しめる方法など、麻雀の普及の仕方をもっと考えていくべきだと思います。

――それでも最近は、オンラインゲームなどで競技麻雀が広がってきている。

瑠美:(まだまだ)現状で、できているとはいえません。当然まだこれからも頑張りたいと思っていますので、そこは期待していただきたいと思っています。

 そう話す瑠美プロの、いつになく力強い表情が印象的だった。麻雀界が誇る美人姉妹として、今や業界の顔役になっている立場だからこそ、自分の力を麻雀という文化そのもののために役立てたいと思う瑠美プロの気持ちは「なりたい職業ベスト10にプロ雀士を入れたい」という壮大な目標として、本著に綴られている。

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