秋華賞で「超強力逃げ馬」アエロリットとカワキタエンカの主導権争い勃発!?「展開」のカギを握る横山典弘が「理想像」とする歴史的名牝の存在とは


 ペースコントロールの巧みさも然ることながら、横山典騎手がライバルとなるカワキタエンカの「限界点」を把握しているところが大きい。対して、今回がテン乗りとなる北村騎手は距離不安も重なって、どうしても手探りの騎乗になる。かといって、カワキタエンカも無謀な玉砕戦法が許される人気にもならないだろう。この点は考慮しておきたい。

 3つ目は、横山典騎手がアエロリットの理想像としてダイワスカーレットを挙げている点だ。この秋華賞や有馬記念を逃げ切るなど「稀代の逃亡者」として名を残す歴史的名牝だが、この馬の特徴が、まさにアエロリットがクイーンSで見せたような「テン良し、中良し、終い良し」という理想的な逃げだった。

 逃げながらも、最後の勝負所できっちりと脚を使うその走りは、場合によっては行きたい馬にハナを譲って自分のペースを守ったからこそ実現できたもの。横山典騎手がこの名牝を理想像とするのであれば、秋華賞でも柔軟な姿勢を見せてくる可能性は高い。

 対してカワキタエンカはここ4戦ですべてハナを切り、特に2走前の三面川特別(1000万下)ではスタートでトモを落として出遅れながらも、強引に主導権を奪いに行っている。このことからも、ハナに立って主導権を奪うスタイルに拘りがあることは明らかで、秋華賞でもある程度ハナを主張する可能性は高いといえるだろう。

 これらの点を考慮するとカワキタエンカがハナに立ち、アエロリットが2番手という展開が濃厚だが、2頭とも距離に不安があるため、意外にすんなりと隊列が決まる可能性も高そうだ。

 仮に、もしそうなると2頭ともが世代トップクラスの強力な逃げ馬。主導権争いによる「共倒れ」を願う後続の淡い期待を裏切るどころか、利害の一致する逃げ馬同士による共同戦線「呉越同舟」の関係を築く可能性もありそうだ。

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