【大阪杯】ベラジオオペラ「ど根性」で戴冠! リバティアイランド、ドゥレッツァが負けても…オペラがいる! 遅れてきた大物が魅せた「弱小」4歳世代の意地
未完の大器が、ついに覚醒
先月31日、阪神競馬場で行われた大阪杯(G1)は、2番人気のベラジオオペラ(牡4歳、栗東・上村洋行厩舎)が勝利。大器晩成と言われた昨年の日本ダービー(G1)4着馬が、古馬になって本格化。同世代の皐月賞馬、ダービー馬を下して待望のG1タイトルを手にした。
「ああいう形になると強い馬」
まさに、ベラジオオペラの真骨頂が発揮されたレースだった。16頭立て、芝2000mのレース。主戦の横山和生騎手の「とても操縦性がいい馬なので、思い切って先行策を」という言葉通り、積極果敢に2番手を取りに行ったベラジオオペラ。最後の直線では、早めに逃げたスタニングローズを交わして先頭に立ったこともあって、最後はローシャムパークとルージュエヴァイユの猛追を受けたが、抜群の勝負根性で粘り切って見せた。
陣営の信念が実った。昨春の日本ダービー(G1)では、勝ったタスティエーラとタイム差なしの4着。飛躍が期待された秋競馬だったが、夏負けと蹄に不安が出たことで予定していた神戸新聞杯(G2)、そして菊花賞(G1)を回避。陣営が「本格化は古馬になってから」という見立てを信じて無理をさせなかった。
また、この結果はベラジオオペラと同世代を救う勝利でもあったはずだ。
遅れてきた大物が魅せた「弱小」4歳世代の意地
昨年末の有馬記念(G1)で皐月賞馬のソールオリエンスと、ダービー馬のタスティエーラが完敗。さらに3月の金鯱賞(G2)では菊花賞馬のドゥレッツァが、プログノーシスに5馬身もちぎられた。他にも世代全体が目立った結果を残すことができない中、「最後の砦」と言われた三冠牝馬リバティアイランドまで、前日のドバイシーマクラシック(G1)で3着に敗れてしまった。
そんな経緯もあり今回の大阪杯を迎えるにあたって、この4歳世代は一部のファンから「谷間の世代」と呼ばれることに……。実際に「4歳馬」という理由だけで、まとめて馬券から消したファンは決して少なくないだろう。ベラジオオペラのこの勝利は、そんな評価に一石を投じるものになった。
「ずっとお世話になっている先生、厩舎スタッフにちょっとでも恩返しできたのが嬉しい。ここから先、どのような成長を見せてくれるのか楽しみで仕方ないです」
レース後、横山和騎手からそう期待を寄せられたベラジオオペラ。ちなみに現役時代の「龍王」と称された最強スプリンター・ロードカナロアの産駒で2000m以上のG1を勝ったのは、本馬の他にアーモンドアイとサートゥルナーリアとブレイディヴェーグだけ。ベラジオオペラが今後もビッグタイトルを重ねる可能性は十分だ。
4歳世代を牽引する、新たなリーダーが誕生した。
PICK UP
Ranking
5:30更新- 【チャンピオンズC(G1)展望】絶対王者レモンポップVS無敗ヤマニンウルス!? 最初で最後の頂上決戦は実現するのか
- ジャパンCはノーザンファームに逆らうな?武豊×ドウデュース、ルメール×チェルヴィニア、さらに社台グループの意外な隠し玉が出走?
- 【チャレンジC(G3)展望】来春見据えダノンエアズロック、コガネノソラ登場! 3歳優勝のベラジオオペラ、レイパパレは翌年の大阪杯(G1)勝利
- 武豊ドウデュースに「最強刺客」立ちはだかる…今年のジャパンCで「外国馬は消し」が危険すぎる理由
- C.スミヨン騎手「サンデーが拒否」原因はC.ルメール騎手? ドバイターフ(G1)リアルスティール「鞍上ドタバタ劇」の裏事情
- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊「これが本来のドウデュース」最強ライバル凌いだ32秒5!ディープインパクト、イクイノックスも未踏の快挙に挑戦権ゲット
関連記事
【川崎記念(G1)展望】大器セラフィックコールが待望のG1獲りへ王手! 2番手は武豊ノットゥルノも気になる「あの馬」
【桜花賞(G1)展望】「レコード2歳女王」アスコリピチェーノ VS 「アルテミスS完勝」チェルヴィニア!栗東滞在効果で関東馬がワンツー決める?
武豊を背にデビュー2連勝も悪夢の屈腱炎【桜花賞】「因縁」川田将雅からの乗り替わりで初G1制覇チャンス到来!? 「遅れてきた大器」が衝撃の末脚でデビュー戦5馬身差の圧勝劇!【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
「負けたのは本当に僕のせい。勝ち運のなさです」武豊を経た再コンビで惜敗…150連敗以上でも穴党から絶大な支持、「持っていた」斎藤新と分かれた明暗
「スタートを切っているようです」今でも語り草の“伝説”を生んだ「あのレース」が16年ぶり復活!「大阪杯並みに楽しみ」一部ファンも歓喜の声