JRA「実力ある」ディキシーナイト大チャンス!国枝栄調教師「頑張ってもらいたい」

 爆発的瞬発力を使えない先行馬なので見た目の派手さはない。しかし、レースを使うごとに成長してきた。その証しが7番人気の低評価を覆して3着に好走したスプリングSだった。

 春の目標はNHKマイルC(G1、芝1600メートル)だったが、スプリングS後に軽い骨膜炎を発症。ノーザンファーム天栄に放牧に出された。ノーザンファーム天栄で休養、鍛え直された効果は大きい。最終追い切りはレースで騎乗予定の石橋脩騎手が跨がり、美浦・坂路で4F50秒9-1F12秒秒6という一番時計を叩き出した。

 石橋騎手は「それなりのタイムを出そうと思っていたが、決してやり過ぎた感じではなかった。上がってからの息の入りも良かったです」とコメント。国枝栄調教師も「期待していた馬がまた良くなってきたので、頑張ってもらいたい」と満足した。万全の状態に仕上がったようだ。

 懸念点は2つある。1つは父のダイワメジャー。ダイワメジャー産駒はマイル以上の距離では苦戦しがちだが、ディキシーナイトは2000メートルの未勝利戦を勝っている。また、寸詰まりの馬体ではないので1800メートルに問題はないだろう。

 もう1つは2歳時に福島のきんもくせい特別(500万下、芝1800メートル)で、ラジオNIKKEI賞のライバルでもあるマイネルサーパス、ダディーズマインドに遅れを取った4着だったこと。外から猛然と伸びてきたマイネルサーパスに被せられたのが原因で、体勢を立て直してからは伸び返している。福島コースそのものには問題はない。その後の成長を加味すれば、今回は両頭に逆転できると見る。

 石橋騎手は56キロのハンデについて「それだけ実力を見込まれたということでしょう。その実力を信じて乗りたい」と言っている。その言葉を信じよう。

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