【徹底考察】宝塚記念(G1) ドゥラメンテ「失われた『信頼』と『屈辱』のファン投票6位。王者ドゥラメンテの『現状』を考察」
【血統考察】
3代母ダイナカールがオークス馬、2代母エアグルーヴがオークスと秋の天皇賞、そして母アドマイヤグルーヴがエリザベス女王杯を連覇。そして、そのサイアーラインがサンデーサイレンス×トニービン×ノーザンテースト。
それにキングカメハメハが配合された本馬は「日本競馬の歴史で作られた牝系の中で、これ以上の良血馬はおそらくいない」と断言できるほどの良血馬だ。生まれてきた瞬間からG1勝利を義務付けられている存在であり、その責務を果たしたのが本馬ドゥラメンテということだ。
極めて優主な母方の血に加え、叔父には香港のクイーンエリザベス2世Cを勝ったルーラーシップ、ステイヤーズSを勝ったフォゲッタブルがいるなど重賞活躍馬を挙げるだけでも枚挙に暇がないほどの成功を収めている一族。
良血馬が必ずしも強いわけではないのが競馬だが、ドゥラメンテのように類まれなる力を持った良血馬には、その血統に違わぬ活躍をする責務があるといえる。そして、ダイナカールの一族の末裔だからこそ、国内で最強になった上で世界へ打って出ることが、まさにドゥラメンテにとっては背負うべき宿命なのだろう。
少なくとも、血統的にドゥラメンテはそれくらいの期待を背負っている馬である。
≪結論≫
考察でも述べた通り、例え落鉄していようが何だろうが、ドゥラメンテがドバイシーマクラシックで見せたパフォーマンスは、ラストインパクトを物差しにすれば、十分に今回の宝塚記念でもトップ争いができるものだ。
海外帰り、特にドバイ帰りは安田記念でリアルスティールが大敗しているだけにコンディション面が気になるが、安田記念からさらに間隔が開いているので問題ないと思いたい。
それよりも気になるのが、やはり苦しくなると左側にもたれる本馬の癖だ。もしも、これが右回りの宝塚記念で出てしまうと、おそらく外側に斜行することになる。中山記念では特に見られなかったので左回り特有のものなのかもしれないが、できれば外側から併せ馬の形にしたいところだ。
ドバイ遠征前には「日本の総大将」とまでいわれていただけに、ドゥラメンテにとって国内での敗戦は”恥”でしかない。ファン投票6位という屈辱を味わったが、再び王座を確たるものにし、秋には再び世界の頂点で戦うためにも、ここは負けられない一戦になる。