JRA桜花賞(G1)「福永祐一の作戦は」ビーチサンバを「善戦マン」と侮るなかれ、な理由
いよいよ3歳クラシックの開幕だ。4月7日、阪神競馬場で桜花賞(G1、芝1600メートル)が行われる。優勝候補たちと差のない競馬をしてきたビーチサンバ(牝3歳、栗東・友道康夫厩舎)について検討しよう。
グランアレグリアは2歳女王決定戦である阪神JF(G1、芝1600メートル)に出走せず、牡馬が集う2歳チャンピオン決定戦、朝日杯FS(G1、芝1600メートル)に出走、そこから桜花賞に直行してくる。そのため、牝馬路線を歩んできた馬たちで人気になるのはダノンファンタジーとクロノジェネシス、シェーングランツといったところ。
そして、これらの有力馬を相手に、勝ち切れなかったものの常に善戦してきたのがビーチサンバ。2歳牝馬の出世レースとして定着したアルテミスS(G3、芝1600メートル)では、直線で中団から抜け出し先頭。そのまま押し切れそうにも見えたが、後方から桁違いの末脚で伸びてきたシェーングランツに差されて2着だった。
阪神JFでも直線で良く伸びたが、後方から大外を並んで伸びてきたダノンファンタジーとクロノジェネシスに交わされて3着。しかし、伸び返して2着のクロノジェネシスにはクビ差まで迫り、アルテミスSで負けたシェーングランツ(4着)には先着した。騎乗した福永祐一騎手は「切れ負けの形ですが、交わされてからもよく頑張った」「来年が楽しみです」と今年の巻き返しを誓った。
今年の初戦クイーンC(G3、芝1600メートル)ではクロノジェネシスと対戦。阪神JFの雪辱に挑んだが出遅れて、最後方からの競馬になってしまった。直線では上がり3F最速の末脚で追い込んだが、早目に抜け出していたクロノジェネシスをつかまえることはできず2着。阪神JFに続きクビ差だった。
このようにビーチサンバは同世代の一線級牝馬と戦い、高い能力を発揮してきた。この桜花賞でもダノンファンタジー、クロノジェネシスあるいはグランアレグリアに次ぐ4、5番人気が予想される。3着でも馬券になる3連単や3連複、ワイドでは外せない1頭であることは間違いない。
とはいえ出走するからには陣営が目指すのは優勝。1週前追い切りは栗東・CWで併せ馬。6F83秒8-1F11秒5と終いを伸ばした。追い切りに跨った福永騎手は「1週前なので、しっかり負荷をかけた。動きは良かったよ」と手応えをつかんだようだ。体調に問題がなければ後はレースでの作戦が重要になってくる。