JRA重賞5勝「F.ベリー騎手引退」日本でも馴染み深い騎手が落馬負傷で……
またひとり、名手がターフを去ることになった。
2014年、15年の中山金杯(G3)を連覇するなど、JRAで重賞5勝の成績を誇るF.ベリー騎手が引退を決意したと、英国の競馬専門紙「Sporting Life」が報じている。
ベリー騎手は今年1月29日にウルヴァーハンプトン競馬場で落馬し、脊椎を損傷。手術を受け、現役復帰のためリハビリに励んでいた。
ベリー騎手は同紙に対し、「騎手になるという子供の頃の夢の生活」を過ごしていたものの、今後について医師から「その夢が終わりであることを受け入れるよう告げられ、レースに騎乗することはできないと言われました」と話した。今後は競馬関連のコラムニストとしても活動する意向を持っているという。
ベリー騎手は15歳でジョッキーデビューし、海外ではG1制覇の経歴も持つ。10年には短期免許を取得し、初来日を果たした。そしてJRAデビュー初週に、朝日杯フューチュリティS(G1)でリアルインパクトに騎乗すると、勝ち馬グランプリボスに0.1秒差に迫る好騎乗を見せ、ファンのド肝を抜いた。同年秋にはダークシャドウに騎乗して天皇賞・秋(G1)で2着。こちらも勝ち馬トーセンジョーダンに0.1秒届かず、涙を呑んでいる。
13年にはダノンバラードでアメリカジョッキーC(G2)を勝ち、JRA重賞初制覇。さらにその翌日には京成杯(G3)をフェイムゲームで勝つなど重賞通算5勝をあげた。昨年は2年ぶりに来日し、サンダリングブルーでジャパンC(G1)に参戦し、10着に終わっていたが、これが日本での最後の騎乗となる。
騎手引退後も日本に来て、日本人騎手や多くの関係者たちと旧交を温めてほしいものだ。ベリー騎手の第二の人生を応援したい。