JRA桜花賞(G1)「何故」ダノンファンタジーは完敗したのか。グランアレグリアとの実力差以上に深刻な「課題」
「中内田調教師が『調教では前進気勢が旺盛でコントロールしにくい面を持っているけれど、競馬に行けば毎回上手に走ってくれる』と語っていた通り、これまでのレースでは川田騎手が上手くコントロールして結果もついてきていました。
しかし、今回は気性面の課題が、ついに表面化してしまった印象ですね。最後に失速して4着に敗れたのは、グランアレグリアについていって消耗したという面もありますけど、それ以上に折り合いを欠いた前半のロスが響いた結果だと思います」(同)
結果的には、互いの「枠順」の差も痛かったようだ。
道中は共に、行きたがる面を見せていたグランアレグリアとダノンファンタジー。だが、グランアレグリアは2番手のジュランビルの後ろに入って、上手く壁を作ることが出来ていた。しかし、7枠15番という外枠だったダノンファンタジーは、それができずにさらに消耗してしまったというわけだ。
レース前の共同会見で川田騎手が「どうしても走る気持ちが強すぎるので、そこのコントロールが一番難しい馬ではあります」と語っていたが、その懸念がモロに出てしまった。
「気になる次走ですが、ルメール騎手が勝利インタビューで2400mに懸念を示していたグランアレグリアと同じく、ダノンファンタジーもオークス(G1)ではなく、NHKマイルC(G1)に進む可能性もあるかと。
将来的に気性面が改善されれば、距離をこなせるようになるかもしれませんが、現状で2400mを走るのは気性が前向き過ぎる印象を受けます。2015年の桜花賞馬レッツゴードンキが今、一流のスプリンターとして活躍していますが、このままだとダノンファンタジーがそうなってもおかしくはないですよ」(別の記者)
もし、そうなればオークスは桜花賞の1、2番人気が不在というケースもありそうだ。果たして世代を牽引する2頭は、今後どこへ向かうのか。両者の動向が、牝馬クラシック戦線を大きく左右するに違いない。