「全然疲れてません(嘘)」残り1000mからのムチ連打で目覚めた老兵クランモンタナのハート!小倉記念(G3)は和田竜二騎手が「渾身」の騎乗で勝利も満身創痍?
ゼーゼー、ハーハー……。
レース確定から時間があったものの、勝利騎手インタビューに呼ばれた和田騎手はやはり完全に息が上がっている様子だった。無理もない……後半1000mは、ほぼ全力で追い通しである。
「最近の成績は目立ちませんでしたが、調教に乗ったときの手応えで『これは!』と思ってレースに臨みました。陣営からは(前に)いけるポジションからレースをしてという指示でほぼ理想通りのレースが出来ました。ただ、予想以上にズブい面があって……全然疲れてません(少し疲れました)。とにかく乗り味よくて走る馬。ラストは一杯になりながらも、本当に良く頑張ってくれました」
そう笑顔で語った和田騎手だったが、今年の小倉記念はまさに和田騎手の会心の騎乗がクランモンタナを勝たせたレースだった。向こう正面からの激しい叱咤が最後の勝負所で、勝つことを忘れていた”老兵”の心に火をつけたのだ。
クランモンタナにとっては2014年の7月以来、約2年ぶりの勝利。これでサマー2000シリーズのチャンピオンも見えてきた。
「多くのサラブレッドは歳を重ねるごとにズブくなっていく傾向にありますが、クランモンタナがあそこまでズブくなっているとは思いませんでした。向こう正面のアクションも目立っていましたが、和田騎手はスタート直後もハナに立つ勢いで追っています。前走は後ろからでしたが、前に付けたのも功を奏したようですね。今後は新潟記念に進むようですが、引き続き和田騎手だと楽しみです」(競馬記者)
実はこの馬、父がディープインパクトで半兄が皐月賞馬のキャプテントゥーレというなかなかの良血である。おおよそディープインパクト産駒らしくない、クランモンタナだが今回の勝利を機に一気に開花するだけの下地は持っているということだ。
だが、それには和田騎手が”貢献”が必要不可欠だが、心配なのはむしろ馬より騎手の体の方か……。